大好きな被写体なので、シーズンになると、よく撮影するのだが、表層から中層を漂うアカクラゲだけに、ブルーバックにクラゲ…という、お決まりの画になりがちである。
アカクラゲだけでも、季節をイメージさせることは出来るものの、毎度、何時でも何処でも同じ画…というのでは、チョット面白くないなと思い、今回は井田の海藻が茂るゴロタ斜面を意図的に大きくフレーミングしてみた(前日&今日の画像)。よりいっそう季節感を出せたのではないだろうかと思う。
例によって、コンパクトデジタルカメラのみによる撮影。広角撮影の場合、内蔵ストロボが使い物にならないので、ホワイトバランスを現場に合わせて設定し、ノーストロボで撮影している。
要は青被りを取り除くようにホワイトバランスを調節しているのだが、クラゲの色はまずまず何とかなる…という感じで再現されるものの、海底の海藻の色が気に入らない。
外部ストロボを使用しての撮影であれば、ホワイトバランスは、いわゆる"晴天モード"…フィルムでいうデイライトタイプといった設定にして、全体的には、肉眼で実際に見たときのイメージに近い青被り気味のトーンで表現し、アカクラゲにだけ、全体のトーンとアンバランスにならない程度に弱くストロボ光を当て、青被りを取り除き色合いを浮かび上がらせるという手法で撮影する。そうすると、海底の海藻は、ダイビング中に見たときと同じようなグリーンで再現され、主役のアカクラゲは青被りで埋もれることなく、画の中で存在感を際立たせることができる。
人間の目は、実に高性能にできているのだが、同時に、ものすごく鈍感なところもある。ある意味、脳内にオートホワイトバランス機能を持っているとも言えるだろう。この脳内オートホワイトバランス機能が実にファジーに作動するので、フィルムやデジタル撮像素子によってキッチリと数値通りに再現された画像を見ると、何か見たときの印象と違う…という感じになってしまう。その辺を補ってやるのもストロボワークなのである。
外部ストロボを使用すれば表現の幅が広がることは分かっている。しかし、コンパクト機の最大のメリットである機動力は失われてしまう。メリットが失われるのであれば、コンパクト機を使う意味は半減してしまう。コンパクト機での究極的な表現を求める身としては、その辺が悩ましいところなのであった。
アカクラゲ / Chrysaora melanaster (Brandt, 1835)
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"Diver's High Blog"を御覧いただきまして、ありがとうございます。
大瀬崎や井田の海の中は生き物達の楽園。
ここで見られる魚は、600種とも700種ともいわれています。
そんな海での一コマから、海の素晴らしさのほんの一部分でも紹介できたらと思います。
ちなみに、各エントリーのタイトルが掲載画像の生物名になっていますが
書かれている文章は、必ずしもその生物に関することだけではないので悪しからず…
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このブログで御紹介している画像は、基本的にノートリミング画像です。
ただし、[トリミング有り]と書かれている画像は、生物を分かりやすく紹介するために、トリミングをおこなっています。