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Diver's High +++ Underwater Photograph +++ Photographer Matsukawa Soichi

オキゴンベ / 井田







FUJI FinePix F30 impression vol.3

 今回の画像は、C740でクローズアップ撮影したオキゴンベの幼魚。前回と同じ個体だ。F30でもクローズアップレンズを使えば、このぐらいのサイズに撮ることは出来るだろう。
 
 1本目の潜水ではF30のみを持ち込み撮影してきた(前回&前々回にUPした画像)のだが、やはり、どうにも使い辛くてストレスが溜まってしまった(笑)。…で、2本目はいつも使っているC740も持っていった。やはり気持ち良くイメージ通りの画像を得ることができた。

 この日に初めて使ったF30と、長年使い慣れているOLYMPUS機を比較するというのは、あまりにも不公平なことと思われるかもしれないが、この両者での使い慣れによる違うというのは、操作感の違いだけであって、あとは純然たる撮影道具としての能力の差と言って差し支えない。

 もちろん10倍ズーム機(C740)と3倍ズーム機(F30)なので、撮影画角に違いがあることは当然なのだが、それは用途の違いと言っていいのでここでの評価には関係ない。同条件で同一構図の撮影をする場合に、両者の間に生じる決定的な違いは、C740(多くの以前のOLYMPUS機)が、撮影者の意図によって、絞り値・シャッター速度・ストロボ光量を任意に設定できるマニュアル撮影モードを持っているのに対し、F30ではマニュアル撮影が不可能であるということだ。

 F30には絞り優先オートやシャッター速度優先オートというモードがある。絞り優先オートにすると絞り値を任意に設定することができるのだが、その場合、シャッター速度は機械の方で勝手に決められてしまう。例えば、前回UPしたアオサハギやオキゴンベの画像は、絞り値f8で撮影しているのだが、シャッター速度は1/100秒に制御された。これはこの時に自分が望んでいたイメージに近いものであったのでOKである。でも、背景のブルーの部分を真っ黒くつぶして、よりシャープなムードを得たいと思い、シャッター速度を1/100秒よりもっと速くして1/500秒ぐらいで撮影したいと思っても、それは出来ない。では、シャッター速度優先オートでシャッター速度を1/500秒に設定したとしたらどうなるだろう。当然、今度は絞りがf5あたりまで開いてしまい、やはり背景を黒くはつぶせないのだ。マニュアル撮影できる機種であれば、絞り値f8・シャッター速度1/500秒での撮影が可能となるので、自分が望むイメージ通りの画像が得られるのだが、絞り優先やシャッター速度優先のみではダメなのだ。
 絞りで被写界深度(ピントが合っているように見える範囲)や背景のボケ具合をコントロールし、シャッター速度で背景の明るさ(水の青色の濃さや自然光のグラディエーション等も含む)をコントロールするというのが、水中撮影における露出制御の基本であるから、やはりマニュアルで撮影できるようにして欲しい。

 そして、OLYMPUS機では、あまりにも控えめにメニュー画面の奥の方に隠れているのだが、ストロボ光量を細かく調節できるようになっている。この効果が絶大で無くてはならないものである。このブログでも何度もUPしているが、自分は倍率が高いクローズアップレンズを使って極端な近接撮影をすることがけっこう多い。しかも絞りを開けて背景をやわらかくぼかした表現をしたいなんていうときに、デフォルトのストロボ光量では強すぎるということになってしまう。そこで、このストロボ光量調節機能を使い、ストロボ光量を落として最適な露出を得るというわけだ。FUJIではF30のストロボを"iフラッシュ"と名付け、状況に応じて最適な発光量に制御してくれると謳っているが、水中撮影においては、その制御能力ではまったく力不足で、近接撮影においてはまずオーバー露出になってしまう。勝手にいろいろしなくていいから、撮影者に発光量を決めさせてくれ…と言いたい。
 写真を単なる簡単な記録と考えるなら「シャッターを切っただけである程度きちんと写る」という方向性もありなのだが、感じたイメージを再現するものだと考えるのであれば、「撮影者の意図を込める=絞り値やシャッター速度やストロボ光量を任意に設定できる」ことが望ましいと思うのであった。

 …と、ここまで3回連続で文句ばかりを並べてきたものの、このF30というカメラ、実はけっこう気に入っている。出てくる画像の解像感は見事という感じだし、小さくて持ち運びも楽ちん。問題点は露出のオート制御なのだが、その制御の癖を把握すれば、100%どんな状況でもというわけにはいかなくても、状況と撮影者のイメージが一致した時であれば、うまくこの機種のいいところを引き出してやることができるだろう。
 何年か前に10倍ズーム機を使い始めたときも、周囲では、ただ単に大きくクローズアップ撮影することが出来るがピントが合いづらくて扱いづらい機種という風評しか聞こえてこなかったわけだしね。撮影道具はどう使いこなすかということでその価値が変わってくると思っているので…。


ゴンベ科 / Cirrhitidae
オキゴンベ / Cirrhitichthys aureus (Temminck et Schlegel, 1843)
OLYMPUS C740


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2006/12/12(火) 00:00:07Fish trackback:0 comment:0 オキゴンベ / 井田
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"Diver's High Blog"を御覧いただきまして、ありがとうございます。
大瀬崎や井田の海の中は生き物達の楽園。
ここで見られる魚は、600種とも700種ともいわれています。
そんな海での一コマから、海の素晴らしさのほんの一部分でも紹介できたらと思います。

ちなみに、各エントリーのタイトルが掲載画像の生物名になっていますが
書かれている文章は、必ずしもその生物に関することだけではないので悪しからず…

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