コガネスズメダイの幼魚は、秋になると大瀬や井田の海で極めて普通に見ることが出来る。成魚よりも鮮やかな黄色がひときわ目立つので印象に残っているヒトも多いのではないだろうか。
いわゆる遊泳系の魚の中では、かなり撮影しやすい魚なので、マクロ派のフォトグラファーからは人気があり、いろんなヒトが素敵な作品をものにしているのを見かけることが多い。
本当はソフトコーラルを絡めたりしてもっと華やかなカットを撮りたいところなのだが、いつでも思い通りに事が運ぶわけではない。このときは、ゴロタ石の斜面での15分間ほどのフリータイム。あたりを見回してみたところ、まあ他のものよりは撮影意欲をそそられたのがこのコだったというそれだけのことだ。あまりキレイではない背景をボカすため、ズームレンズの望遠側を使い、絞りは開放近くまで開け、出来る限り被写体に寄って構図を決めた。高倍率のクローズアップレンズや高倍率ズームレンズの長焦点域(望遠域)を使った場合に被写界深度(ピントの合う距離の範囲)が薄くなることを、ピントを合わせるのがムズカシイ…と、ネガティブにとらえる向きもあるのだが、個人的にはメリットだと考えている。「難しいか簡単か」という問題よりも「出来るか出来ないか」ということの方が表現においては大切なことだと思うからだ。難しくても出来るのであれば表現の幅は広がる。
あと余談だが、用語で「ズーム=望遠(又はクローズアップ)」と思っているヒトが多いようで、話を聞いていてこのヒトはいったい何を言っているんだろう?と思ってしまうことが多い。レンズのズームというのは「焦点域を変化させること」を言うのであって、広角側から望遠側に変化させる(撮影画角を狭くする)ときはもちろんのこと、望遠側から広角側へ変化させる(撮影画角を広くする)ときも「ズームさせる」ということになる。つまり、この写真の場合は「ズームレンズの望遠側で撮影した」とか「望遠側にズームして撮影した」ということになり、「ズームで撮影した」という言葉の使い方は用語的に間違いである。そもそもズームインとかズームアウトというように両方向に使えるようになってるんだから間違えようがないと思うし、知っているヒトにとっては、何を今更当たり前のことを…と思うようなことかもしれないが、この辺を勘違いしているヒトはかなり多いようだ。別に初心者とかならいいんだけど、この間は、どこかのインストラクターが偉そうにお客さんに説明しているときに、しきりに望遠のことを「ズーム」「ズーム」というふうに使っているのが聞こえてきて、かなりイタイ感じがしてしまった(苦笑)。
スズメダイ科 / Pomacentridae
コガネスズメダイ / Chromis analis (Cuvier, 1830)
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"Diver's High Blog"を御覧いただきまして、ありがとうございます。
大瀬崎や井田の海の中は生き物達の楽園。
ここで見られる魚は、600種とも700種ともいわれています。
そんな海での一コマから、海の素晴らしさのほんの一部分でも紹介できたらと思います。
ちなみに、各エントリーのタイトルが掲載画像の生物名になっていますが
書かれている文章は、必ずしもその生物に関することだけではないので悪しからず…
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ただし、[トリミング有り]と書かれている画像は、生物を分かりやすく紹介するために、トリミングをおこなっています。