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Diver's High +++ Underwater Photograph +++ Photographer Matsukawa Soichi

マルタマオウギガニ

FUJIFILM FinePix F30 f3.6 1/50 iso100



 同じ海を潜り続けていると、いろいろなものに思い入れが出来てくる。

 この残骸のようになって息も絶え絶えなビロードトゲトサカもそんなひとつ。


「あそこに1本だけ大きくて違うのがあって、チョット特別な感じがするんですよね…」
 …と言っていたのは、当時まだ井田でバリバリ潜っていた"てつ!"氏だった。

 その頃、井田を本格的に潜るようになってまだ間もなかった僕は、確かに印象に残るトサカではあるね…というぐらいの感じだったのだけれど、その後、この大きな白いビロードトゲトサカがチョット薄暗い海の底で満開の花を咲かせるようにそそり立つシーンは、自分にとっても思い入れの深いシーンになっていった。


 その特別なビロードトゲトサカが朽ちるように倒れてしまったのはチョット前のこと。

 かなりショックな出来事であった。

 また元気になることがあるのだろうか…。

 見た感じだと表面が爛れたようになっていて、藻が生えてきていたりしているので、チョット無理なような気もする。


 どうしてこうなったのかを調べてみた。

 …で、原因は予想通り…。


マルタマオウギガニ

FUJIFILM FinePix F30 f6.4 1/60 iso100




 大きなマルタマオウギガニが棲みついていた。

 このカニに棲みつかれると、巨大なトサカも死んでしまうことが多い。

 ウミウサギの仲間が棲みついたりしてもダメージを受けるのだが、ウミウサギは枝先に付くことが多く、その場合、トゲトサカはその枝を自切して本体を守るらしい。

 ところが大きなマルタマオウギガニは太い幹の部分に巣穴を掘り進めるのトゲトサカはで自切して身を守ることが出来ない。

 やっかいな存在であるに違いない。

 
 そしてまた気になることがひとつ。

 最近、このマルタマオウギガニの姿が見えない。

 こんなふうに朽ちてゆく元の棲みかに未練なんて無いのだろう。

 …で、この場所の上方には、やはりランドマークのひとつである巨大なトゲトサカがある。アマミスズメダイの幼魚が着いたり、クダゴンベが着いたり…と、とても素敵なトゲトサカなのだが…。

 まさか、そっちに引っ越したなんてことは無いだろうな…。


 同時に希望もひとつ。

 このビロードトゲトサカが自切した枝が根付いたのではないかと思われる株があるのだ。(卵から育ったかもしれないし、全然関係無いヤツかもしれないけど…(笑)。)

 倒れてしまった本体がダメだったとしても、何年かして、この株が大きく育って、また美しい姿を見せてくれたらいいな…と思うのであった。


オウギガニ科 / Xanthidae
マルタマオウギガニ属 / Calvactaea
マルタマオウギガニ / Calvactaea tumida



Copyright Matsukawa Soichi. All rights reserved.

2011/02/24(木) 01:14:57Crab / Shrimp trackback:0 comment:0 マルタマオウギガニ
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"Diver's High Blog"を御覧いただきまして、ありがとうございます。
大瀬崎や井田の海の中は生き物達の楽園。
ここで見られる魚は、600種とも700種ともいわれています。
そんな海での一コマから、海の素晴らしさのほんの一部分でも紹介できたらと思います。

ちなみに、各エントリーのタイトルが掲載画像の生物名になっていますが
書かれている文章は、必ずしもその生物に関することだけではないので悪しからず…

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