FUJIFILM FinePix F30 f6.4 1/60 iso100
カエルアンコウの仲間の中でベニカエルアンコウが一番好きだ。
クマドリカエルアンコウのようにダイバーが群がったり行列したりすることもないし、ソウシカエルアンコウの若魚のようにセンセーショナルな話題になることもない。もちろん、ちやほやされる南方系というわけでもない。おそらく、最もポピュラーで伊豆なら何処でも見られるヤツである。
だけどもやっぱりベニカエルアンコウが一番。
決して地元贔屓というだけではない。
僕の場合、魚を撮影するときは図鑑写真よりも生態行動写真よりもポートレートをメインに撮っている。
僕ほど魚の顔の表情を強く意識して撮っているヒトは他に居ないんじゃないかと自分でも思うぐらいに…。
…で、いちばん「イイ顔」をしているのが"ベニ"だと思うのだ。
そんな僕から見ても、この個体は「美形」だと思う。美形というのに御幣があるなら「カエルアンコウ的美形」と言ってもいいだろう。
そして、ポーズがことごとく決まっている。
技術点の採点基準では、魚っぽくないポーズであればあるほど得点は高くなるのだけれども、胸鰭を上げる角度の美しさ…肘の曲げ方なども加点対象とすることになっている。
そして芸術点では、体色及び模様の入り方、表情などが採点されることになる。
この個体は、体色こそよく居るタイプの肌色だが、背鰭の起点にユニークな赤い斑紋が一つ入り、肩の辺りから赤いストライプが伸びるという個性的な装いであり、定番とも言える涙ラインも実に表現力溢れる入り方である。
表情は見ての通り、自分の可愛らしさをよく知っている女の子が、鏡の前で研究しつくして身に付ける必殺の「あどけないフェイス」を完璧に自分のものにしている。
今日の潜りに来られていたハードボイルド百塚氏も、ニヒルな笑顔で「可愛いですね」と言っていたので、このベニのかわいらしさはホンモノなのだろうと思う。
ただ、問題がひとつあって、この個体は、いつも岩の隙間の奥の方のカイメンの陰に隠れていて、滅多に正面から撮影させてくれない。いつも見えるのはほとんど上方背中からとか後姿…。
だからこうして前から撮れた時は、かなりの幸運と言っても良いと思う。そんなときは、宝くじとか買ったら当たるかも。
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カエルアンコウ科 / Antennariidae
ベニカエルアンコウ / Antennarius nummifer (Cuvier,1817)
井田
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"Diver's High Blog"を御覧いただきまして、ありがとうございます。
大瀬崎や井田の海の中は生き物達の楽園。
ここで見られる魚は、600種とも700種ともいわれています。
そんな海での一コマから、海の素晴らしさのほんの一部分でも紹介できたらと思います。
ちなみに、各エントリーのタイトルが掲載画像の生物名になっていますが
書かれている文章は、必ずしもその生物に関することだけではないので悪しからず…
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