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Diver's High +++ Underwater Photograph +++ Photographer Matsukawa Soichi

アオサハギ / 井田

FUJIFILM FinePix F30 f6.4 1/90 iso100



 最大水深26mの潜水計画を考えてみよう。

 ゆとりを持って安全に潜るってことになると、浅けりゃ浅いほどいいし、時間も短けりゃ短いほどいいってことになってしまうんだけど、一応、無限圧(停止)潜水時間内で、ある程度のゆとりを見て、それでいて、た~っぷり潜るってことで…。潜水時間は1時間ぐらいに抑えておくかな…。もちろん3mでの安全停止はたっぷりとって…。


 まず、ダイブテーブルで見ると水深26mの減圧不要限界は27分間ぐらい。

 27分間めいっぱい滞在してしまうと、エキジットしなければならなくなってしまうので、10分間ゆとりを見て、滞在時間は15分間ぐらい。

 実際には、寄り道せずにすみやかに水深26m地点を目指したとして、移動に5分間ぐらい時間を使うと考えて、この時点で20分経過。

 次に5分かけて深度を10m上げて水深16m地点でステイ。この時点で、水深16mでの減圧不要限界は15~20分間ぐらいになっているはず。15分間滞在したとして経過時間は40分間。

 その後、水深一桁mに行けば、数値的には1時間近く滞在できることになるはずなんだけれど、体内に蓄積した窒素量はかなりの量になっているし、この後、2本目も潜ることを考えると、さらに窒素を溜め込むのは良くないということで、基本的には、この後は、水深3m辺りの減圧水深で過ごすのが良しということになる。…ということは、浅瀬に来るまでに5分間かけたとしたら、滞在時間は15分間。これで、合計60分間の潜水。

 すごく大ざっぱな計算だけど、この辺がけっこう現実的なところで、実際には、こんなに潜っていると、けっこう多くの方は、空気の残圧が足りなくなってくる。(エア持ちのいい方や、ベテランの方は、そんなこと無いけれど、多くの場合は、そんな感じでしょう。)

 …で、ここで注目したいのが、この潜水計画だと、各水深での滞在時間が約15分間ずつしかないこと。

 けっこう短いと思いませんか?

 実際には、その辺の深度管理をうまくやって、じっくり生き物を観察したり撮影したりできるようにコーディネイトするんだけど、例えば、井田の定番コースなら、ケーソンあたりのラインが水深23~26mで、大きなトゲトサカが生えているラインが水深16~18m。砂地の産卵床でも水深20mをオーバーしてしまいます。

 水中写真を撮影するにしても、うまく時間を使わないと、不完全燃焼になってしまう可能性が多々あるというわけ。


 ちょっと話が横道にそれるけど、ダイビングコンピューターに表示される時間を見て、あと何分間は大丈夫って感じで、めいっぱい潜る潜り方はきわめて危険。

 現在、体内の各組織にどれぐらいの窒素が溶け込んでいるのか、そして、その時点で、まだ窒素が吸収されているのか、あるいは、放出されているのか…。

 そこをシッカリ認識しておかないと、後々、辛い思いをする可能性有りです。

 今は、そういったところまで表示してくれるダイビングコンピューターがあるので、これから手に入れようとしている人は、そうゆうヤツにすれば良いと思います。


 …で、話は戻って、各深度における滞在可能時間が案外短いって話。

 写真を撮るなら、気合いの入れどころと、軽めに流すところをシッカリと見極めることが大事だよ…ということで。


 今回の写真はアオサハギ。

 伊豆では定番中の定番と言っていいサカナなんだけれども、コイツを撮るか撮らないかの見極めどころを考えてみよう。

 まず、素敵なロケーションで撮れるかどうかということと、その深度で撮るべきなのかどうなのかというところ…より浅いところで同じようなシチュエーションを狙えるなら、その方が良いでしょう。

 このピンクのジュズエダカリナに寄り添う姿は、ぜひとも撮りたくなるシチュエーションなんだけれども、水深30mだったとしたら、よっぽど協力的なアオサハギでもない限り、そんな水深では撮らない方がいいような気がする。水深20mぐらいだったら…、この撮影にそのダイビングを捧げてもいいという思いなら勝負をかけて撮ってもいいかな。水深10mだったら気軽に臨めるだろう。

 …で、やっぱり、アオサハギそのものが、協力的か非協力的かの見極めが大事だと思う。

 撮影者側のアプローチスキルにもよるんだけれど、非協力的な拗ねたコは狙わないが吉かな…(笑)。

 自分に与えられた時間は15分間だと思えば、そのうち何分間をコイツに使うのかってことがいかに大事かが分かるんじゃないかな。違う見方をすれば、他の被写体を撮影する時間を削って撮るわけだから。

 そうやって考えて撮っていくうちに、モタモタせずスムーズに撮れるようになるってものです。

 それに、その辺の時間のやりくりをうまく出来た方が、変なストレスも溜まらないし、楽しいから。


 
 まあ、何を撮るにせよ、自分自身の責任の下に、少々骨が脆くなっても、チョット手足が痺れても痛くなってもイイっていう方々とは、また違った感じでやりますけどね…(笑)。


カワハギ科 / Monacanthidae
アオサハギ / Brachaluteres ulvarum (Jordan et Snyder, 1902)




Copyright Matsukawa Soichi. All rights reserved.

2010/10/21(木) 01:22:00Fish trackback:0 comment:0 アオサハギ / 井田
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"Diver's High Blog"を御覧いただきまして、ありがとうございます。
大瀬崎や井田の海の中は生き物達の楽園。
ここで見られる魚は、600種とも700種ともいわれています。
そんな海での一コマから、海の素晴らしさのほんの一部分でも紹介できたらと思います。

ちなみに、各エントリーのタイトルが掲載画像の生物名になっていますが
書かれている文章は、必ずしもその生物に関することだけではないので悪しからず…

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