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Diver's High +++ Underwater Photograph +++ Photographer Matsukawa Soichi

ホシノハゼ / 井田

FUJIFILM FinePix F30 f4.0 1/1000 iso100




 写真に個性を求めることは悪くない。

 だけども、僕は、奇をてらわずとも、内に秘めた作者の思いが滲み出てくるような作品が好きだ。

 写真の力強い表現と言うと、すぐに「大胆な」などと評される奇抜さに着目されがちだけれども、そればかりではないと思う。

 特に自然を相手にした写真の場合、自分(作者)のアピールが前面に出たものよりも、被写体の魅力をリアルに表現することに力を注ぎ込んだ作品に魅力を感じる。

 被写体の魅力の純度が高まれば高まるほど、その写真から作者の存在は限りなく見えなくなる。

 それでいい。

 写真家が主役である必要は無い。

 主役は被写体であるべきだと思う。

 そして自然を撮影する写真家はそうゆう存在であるべきなのでは…と。

 
 矛盾するようでもあるのだが、面白いことに、そんなふうに撮っている写真家の作品は、クレジットが無くとも撮影した写真家が誰だか分かってしまうことがよくある。

 それが、先に書いた、内から滲み出てくるような作者の思い(=違った意味での存在感)なのだと思う。

 分からないヒトには分からない程度かもしれないけれど、分かるヒトに分かってもらえればいいじゃない…って、それぐらいが丁度イイかな。


 
 図鑑写真…。

 作者の存在感が限りなく見えない…必要とされない写真である。

 いわゆる作品志向路線やフォトコン狙いといった路線的には、あまり良いイメージで語られない写真であるが、生き物のディテールを正確に余すことなく見せるという意味では、ある意味ひとつの究極を狙うものでもある。

 被写体に対する愛情、被写体の姿に魅力を感じるのであれば、図鑑写真も狙うべきイメージの一つとなり得るはずだろう。

 最も魅力的な表現を突き詰めていったところが図鑑写真であったという方も少なくない。


 僕が撮る図鑑写真の場合は、ゲーム感覚でトライしてみる…という感じのことが多いし、狙うというよりは、撮れる時に撮るという感じなので、絞っても叩いても何も滲み出てこないだろうけれど…(苦笑)。

 でも、このホシノハゼを撮っているときは、「パッと見は地味だけど、よく見るととてもキレイなんだよ」…ということを伝えたくて、ディテールを描き出そうと頑張ったりしてみました。

 画面には写っていないけれど、すぐ近くにもう一匹居て縄張り争いの最中。こうゆう画を撮るのにはイチバンのシャッターチャンスです。 


ホシノハゼ / 井田

FUJIFILM FinePix F30 f4.0 1/1000 iso100


ハゼ科 / Gobiidae
ホシノハゼ / Istigobius hoshinonis (Tanaka, 1917)



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2010/03/06(土) 00:00:00Fish trackback:0 comment:4 ホシノハゼ / 井田
コメント
この記事へのコメント
> 屋久島太郎 さん
どうもです。

文章は添え物程度なので…
単なる戯言ですから…お恥ずかしい…(苦笑)。

なんと言うか、ごく一部に向けた内輪の提案です。

アジテーションしないとノッてきてくれないもので…(笑)。


星野道夫さん、自然の中に身を置き撮影し続けた方ですね。
きっとやれるでしょう!期待しています!

まずは感動の大作"大瀬崎ヤドカリ図鑑"を超えるターゲットですね。

楽しみだなあ!

2010/03/06(土) 15:27:21 | matsukawa | #4R5.xbJk[ 編集]
> クロブチメガネ さん
毎度です。

身近に熱を感じるとモチベーションが高まります。

そして常に最も熱い真っ只中に居たいと思ってます。

枯れたテイストで勝負するのは、あと10年経ってからで良いかな…と(笑)。


貴方や屋久島氏には、いつもイイもの見せてもらってます。

その刺激の中に身を置いて、自分の現場に臨める事が今の幸せです。


ホシノハゼ…
こんなに…どころか、雌に全開でアピールするときは、もっと鮮やかですよ!
グレー部分が黒っぽくなり、紫&ブルー部分はさらに輝き、強烈なコントラストを身に纏います。
ぜひともご注目を!
2010/03/06(土) 14:47:40 | matsukawa | #4R5.xbJk[ 編集]
いやいや、ホシノハゼ1匹でこんなに熱い文章ができるなんて凄いな~。
自分も理想は前記の通りの写真なのですが、いかんせん実力が足りずただの写真になってしまうことが多いです。そこで迫力だのインパクトといったものに頼ってしまうこともしばしば。。。星野道夫さんみたいな静かだけれども力強い写真が撮りたいです。
それにはもっともっと潜って、海をより深く感じなければダメそうですね。

2010/03/06(土) 09:05:48 | 屋久島太郎 | #aIcUnOeo[ 編集]
鳥のように風をつかみ

魚のように水をつかむ。

一枚の名画のように写真は心を鷲掴んでみたい。極、自然に…
切なる思いです(笑)

内なる秘めた鷲掴み写真…これからもよろしくお願いしますm(__)m

にしてもホシノハゼってこんなにキレイでしたっけ!?
2010/03/06(土) 07:35:22 | クロブチメガネ | #1.E5DkAA[ 編集]
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"Diver's High Blog"を御覧いただきまして、ありがとうございます。
大瀬崎や井田の海の中は生き物達の楽園。
ここで見られる魚は、600種とも700種ともいわれています。
そんな海での一コマから、海の素晴らしさのほんの一部分でも紹介できたらと思います。

ちなみに、各エントリーのタイトルが掲載画像の生物名になっていますが
書かれている文章は、必ずしもその生物に関することだけではないので悪しからず…

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