ここ数年のこと、コンパクトデジタルカメラで「欲しいな…」と思うような製品が全くリリースされなくなってしまった。僕がメインで使っているオリンパスのC-755(755)やC-740(C-745)は、すでに何世代も前の旧製品である。ほとんどのダイバーにとっては、生産中止になろうと何だろうと、水中撮影専用にして、きちんとメンテナンスして、あと予備を1セットでも用意しておけば、相当長いこと問題無く撮影に臨むことが出来るだろうけど、僕の場合、かなりのハイペースで使い込むので、そうゆうわけにはいかない…壊れてしまうのだ。現在使っているC-755はすでに4台目、C-740は3台目である。こういったコンパクト機に、いわゆるプロ用機並の耐久性を求めるわけにもいかないのだろうけど、やはり辛いものがある。
ここ数年、コンパクト機をメインに使い続けてきたが、いよいよ望む機種が無くなってしまった場合には、次のアプローチを考えねばならないだろう。
…なんてことを考えたとき、コンパクト機でやり残したことをやっておくかな…と思いついた。
接近を許してくれない遊泳系の魚はコンパクト機が最も苦手とする被写体のひとつである。AF性能の問題もあるが、僕の場合、外部ストロボも使わないので、離れた距離からはストロボ光も届かないというのがツライ。
でも、極限まで機材の能力を使い尽くしての言葉なら別だけど、技術の未熟さを棚に上げた「○○はコンデジでは無理。一眼レフじゃなくちゃ…」などという声が聞こえてきたりすると、それはチョット違うんでないの…という気にさせられるのも事実。
ストロボ光が届かないなら届くところまで寄る技術を磨こうとか、何かとトレードオフになるかもしれないけど目指す表現のための工夫をしてみようとか、そうゆうふうにしないことには、結局、どんな機材を使ったって大したことはないだろうと思うのだ。
それに、コンパクト機でそういった被写体を狙うためには、機材のことだけではなく、その被写体のことを熟知しなければならないわけで、これはこれでガイドとしては大事なことだとも言えるだろう。
…で、今の機材が壊れるまでは、自分なりにチョット頑張ってみようと思い、あれこれ試行錯誤を始めてみた。もちろん全紙で見せる作品を目指すというわけではなく、見たヒトに充分に被写体の魅力が伝わればOKというぐらいなんだけど…。
そこで、最初に狙ったのは、ベラの仲間とクロユリハゼの仲間。
このヒメユリハゼは、ストロボ光の弱さを補うために、いつもとホワイトバランスやISO感度などの設定を変えているので、コンパクト機っぽい不自然感が顕著に出てしまったものの、チラッと見ただけでは見過ごしてしまうヒメユリハゼの美しさを知らせることは出来るかな?…と思ったりもした。
井田のビーチならではという感もあるヒメユリハゼは、ほんとうにキレイな魚なので、ぜひともシッカリと見て欲しい魚なのである。
クロユリハゼ科 / Ptereleotridae
ヒメユリハゼ / Ptereleotris monoptera (Randall et Hoese, 1985)
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"Diver's High Blog"を御覧いただきまして、ありがとうございます。
大瀬崎や井田の海の中は生き物達の楽園。
ここで見られる魚は、600種とも700種ともいわれています。
そんな海での一コマから、海の素晴らしさのほんの一部分でも紹介できたらと思います。
ちなみに、各エントリーのタイトルが掲載画像の生物名になっていますが
書かれている文章は、必ずしもその生物に関することだけではないので悪しからず…
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