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Diver's High +++ Underwater Photograph +++ Photographer Matsukawa Soichi

クルマダイ / 大瀬



 今日も浅場でキンギョハナダイとスズメダイの撮影をしよう!…と、器材を台車に載せて、今まさに岬に向かおうとしていたとき、”いたる@はまゆう氏”が早朝ダイビングを終えてニコニコしながら戻ってきた。

 「おはようございます!いいタイミングですねえ!イイのが居ますよぉ!」 ‥と、朝早くから魚屋の売り口上のようないたる氏の一言で予定変更。湾内深場を目指すことに…。

 深場へとどんどん泳ぎ進んでいっても平坦で海底の基質が変わらず、似たような景色が続く大瀬湾内。おそらく、何も知らず何も考えていない人なら、チョット暗くなったけど同じような景色が続いているなあ…ぐらいにしか思わないだろう。しかし、水深30mを過ぎたあたりから明確に雰囲気が変わる。 

 湾内の深場のムズカシは、変化が無い景色と平坦でゆるやかな傾斜ゆえのナビゲーションのムズカシさ。そして、ゆるやか故に移動距離が非常に長く平均深度か深くなること。

 深場に行くまでに時間がかかるのはもちろん、帰ってくるにも時間がかかる。特にモンダイなのは、帰りになかなか浅くなってくれないということで、透明度が抜群に良くて自分が居る現在地点を把握できていて中層移動が出来る場合以外には、深度管理をかなりシビアにしなければならない。例えば、最深地点で減圧が6分間出た…なんて場合、帰りにチョット寄り道でもしようものなら、3mに辿り着いた時には、20分間とか30分間のストップがかかることになるなんてざらだし、エアの消費量に自信が無い人は青ざめること必至である。

 要は決して無理はしてはいけないということなのだが、こうゆう時に限って寄り道したくなるような生き物がいたりするし、元大瀬ガイドの僕の場合、教えてもらった目的の獲物がなかなか見つからなかったりすると、「もしも見つけられなかったら…格好がつかないぞ」…という、妙なプレッシャーがかかってきたりもする(苦笑)。

 そうは言っても、とにかく安全第一なので、見つからなかったら、適当なところで切り上げなくてはならないのだが、「引き揚げよう…」と思ったら、目の前に、さっき話に聞いたような目印のイソギンチャクらしきものがあったりする…。…であれば…ということで、そのあたりを探すのだが見つからず、それが目印のイソギンチャクではないと気づき、「ダメだ…もう引き揚げよう」と思ったら、また話に聞いたようなロープが落ちていたり……。30mオーバーの深場で、そんなことをしていたら、あっという間に減圧時間は倍増し、エアは激減してしまう。

 1回見てしまえば、ほぼ完璧に位置を把握する自信はあるし、行ける時は初モノでもスパッと一発で目標に到着できるのだが、湾内深場の初見ネタを、ヒトから訊いて行ってみるというときというのは、けっこう手こずることが多いのだ。…で、いつものことながら、もうチョット詳しく訊いておくんだった…寄り道ばかりするんじゃなかった…と後悔(苦笑)。

 それでも、いたる氏が自分が行ったときに見た要所での目標物になるものを教えてくれていたおかげで、なんとか辿り着くことが出来、可愛らしいクルマダイの若魚を2個体見ることができたのだから、いろんな意味でめでたしめでたしである。 

 ちなみに、けっこう泳いだし、潜水時間もかなりの長時間になり、この後、僕は疲れてしまって2時間ほど爆睡。その頃、いたる氏はお客さんを連れてガイドダイビング。若さの違いを思い知ることになったのであった。


 …クルマダイ、今年は目撃例がいろいろあるようで、当たり年なのかもしれない。

クルマダイ / 大瀬

キントキダイ科 / Priacanthidae
クルマダイ / Pristigenys niphonia (Cuvier, 1829)


 

Copyright Matsukawa Soichi. All rights reserved.

2008/09/15(月) 22:31:44Fish trackback:0 comment:5 クルマダイ / 大瀬
コメント
この記事へのコメント
> ヤドカリノスケ さん

 毎度です。いつも新鮮なネタをありがとうございます。
 出来たら20m以浅でとびっきりのヤツをお願いします。

 可愛さを狙うなら、撮影者も可愛くコンデジで撮らなきゃでしょう(笑)。
 大きなカメラでグイグイ迫ったら、怖がっちゃいますヨ(笑)。

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> らっこ さん

 お久しぶりです。コメントありがとうございます。
 
 クルマダイ…もっと小さいのも居るみたいですね。
 僕も他からも聞いていたんですが、ちょっとサイズが合致しないようです。
 それとも、アッという間に育ったのかな?(笑)

 この個体は、一眼レフなら28mmぐらいがイイでしょうね。
 もちろん超広角でもOKですけど、フィッシュアイでの寄り切った画ってのも、
 さんざん撮りまくってきたせいか、今となっては少々食傷気味なもので…(笑)。
 ちょっと画角を狭めて渋めのポートレートって感じが良いんじゃないかなぁ…なんて思ってます。

 でも、やっぱり余裕を持って無限圧潜水が出来るところがイイですネ。
2008/09/17(水) 23:41:56 | matsukawa | #4R5.xbJk[ 編集]
こんにちは。お久しぶりです。
ここには初投稿かも。

いつも、ステキな写真を見させて頂きながら、勉強させてもらってます。

このクルマダイ、もっと小さな個体かと思っていたのですが、想像よりもかなり大きかったです。マクロレンズだけしか持っていかなかったので、お魚を見てちょっと後悔。ワイド持って撮り直しに行こうかとも思いましたが、あの水深に2本連ちゃんは辛いので止めました。(^^;

私も湾内の深場にはたまにしか行きませんが、こんな被写体が居るときは、たまには良いかも。

2008/09/17(水) 22:37:32 | らっこ | #CElRSWZQ[ 編集]
「へい!らっしゃい旦那!!今日もいいのそろえていますぜ!!」
ってそんなでしたか、、、。魚屋もちょっといいなぁ、楽しそう。
昨日の夕方にもう一度行って見ましたが松川さんの写真みたいに可愛さを出せなかったので結局はまた引きで撮っちゃいました。そして納得できないできなのでもう一度行こうと思います。なんにしても写真を撮るには最高の被写体ですね。浅場でこいつがたくさんいればビギナーの人にまず撮ってもらう魚になれそうです。

また鮮度抜群の生物を仕入れときますね。(50mで)
2008/09/17(水) 09:08:50 | ヤドカリノスケ | #p1uJIgmM[ 編集]
> 旦那 さん
初コメントありがとうございます。ウレシイです。

このクルマダイ、イイ子でしたヨ。

撮影はコンデジで、ワイドやクローズアップといったコンバージョンレンズは無し。素のままで撮影です。

サイズ的にクローズアップレンズは不要ですし、ワイコンを使って超広角にすると思いっ切り寄らなきゃならないです。
今回は可愛く撮るがテーマだったんで、寄り過ぎてプレッシャーをかけたくありませんでした。

…とは言え、けっこう寄ってます。
広角レンズを使っている時のような雰囲気で撮りたかったんで、
ワイドレンズかな?…と思っていただけたなら、ある意味成功です(笑)。


水深30mオーバー…行くには行けちゃうんですよね。
リスクを別として、最短距離を辿れば、そこそこ楽に行って帰って来れます。
でも、ストレスを感じてまで行くこともないという気がします。
もっと楽に会えるときがきっと来ますしね。

僕の場合、シンドかったとか言いながらも、けっこう楽しんでましたから。
いちおう数え切れないぐらい潜っている大瀬ですし、
自分のスキルを錆付かせたくないというのもありましたし…。

でも、またしばらく深いのは行かなくてもいいかなとも思ってます(笑)。
安全がいちばんです。
2008/09/16(火) 23:34:43 | matsukawa | #4R5.xbJk[ 編集]
いつもは、O瀬KANを使っている、時々カメラなど教えてもらっている、うみうしふぇちの旦那です。
 いつもブログは拝見しています。
でも、コメントは入れたことないです。初めてのコメント注入!!
 ワイドレンズですか?いいですねクルマダイ!いい子ですね~。松川さんのスキルもさることながら、いい子じゃないと寄れないですもんねぇ~。オイラも撮りたい、でも遠いですね。松川さんの言う通り安易には行けない・・。先端の40mなら行きますが。
以前、ガイドさんとふたりで湾内マンボウ側の30mオーバーまで行って沖だし食らって泣きべそ書きながら帰ってきたことがあります(笑)
 オイラの好きなアオリイカの産卵の時も、ミジン君とカケハシ君のコラボのときもコメントしなかったけど、今回は・・。
 湾内コワイ!でも行きたい。生きたい。
2008/09/16(火) 20:15:14 | うみうしふぇちの相棒  | #-[ 編集]
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"Diver's High Blog"を御覧いただきまして、ありがとうございます。
大瀬崎や井田の海の中は生き物達の楽園。
ここで見られる魚は、600種とも700種ともいわれています。
そんな海での一コマから、海の素晴らしさのほんの一部分でも紹介できたらと思います。

ちなみに、各エントリーのタイトルが掲載画像の生物名になっていますが
書かれている文章は、必ずしもその生物に関することだけではないので悪しからず…

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