ウバウオ科 / Gobiesocidae
タスジウミシダウバウオ / Discotrema lineata (Briggs, 1966)
タスジウミシダウバウオがけっこうたくさん居ることに気づきました。あまり意識していなかったのですが、この日は偶然に1匹を見ることが出来たので探してみたら、60分間で4個体見つかりました。もちろん、それだけを探していたわけではないので、なかなか高確率だったのだと思います。…で、翌日、また探してみたら1匹も見つかりませんでした(苦笑)。やはり、生き物へのアプローチは、無欲であることが大切なようです。
このサカナは、基本的には南方種だと思いますが、条件が揃えば、伊豆で産卵までは行なっている気配です。でも、再生産が繰り返されているかどうかは確認できていません。今年は水温が低いので、この先が心配なのですが、どうなるでしょう…?クマノミなんかも、大きな個体は生き残っていますけど、2cm未満のミニサイズは全滅したようですし…。ただ、冷え込みは一時期よりは若干収まったような気がするのですが…。
ウバウオ科 / Gobiesocidae
タスジウミシダウバウオ / Discotrema lineata (Briggs, 1966)
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頭楯目 / CEPHALASPIDEA
ウミコチョウ科 / Gastropteridae
アマクサウミコチョウ / Gastropteron bicornutus (Baba&Tokioka, 1965)
多いときは多いのですが、居ないときはぜんぜん居ないアマクサウミコチョウ。今年は、けっこう見られているようです。
大瀬ではゴマ粒サイズなんてのも多いウミコチョウの仲間ですが、この種はけっこう大きくて1cmぐらいはあります。ナイトでしか見たことがないのですが、ライトの光を当てていると、どんどん砂に潜っていくので、昼間は砂の中に隠れているのでしょう。ウミウシの仲間は、そうやって昼間は隠れているというケースがほとんどなので、ウミウシシーズンとも言える今の季節はナイトダイビングが外せません。
頭楯目 / CEPHALASPIDEA
ウミコチョウ科 / Gastropteridae
アマクサウミコチョウ / Gastropteron bicornutus (Baba&Tokioka, 1965)
交接中のアマクサウミコチョウ。どこがどうなっているのか分からない…
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Digital Gallery 184 / Sepioteuthis lessoniana
Osezaki Izu Peninsula
OLYMPUS C740 & PT018
f5.6 1/250 ISO100
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テナガエビ科 / Palaemonidae
ウミウシカクレエビ / Periclimenes imperator
まだJリーグが発足する前、JSLの時代の日本でのサッカー人気の無さは、今を知る人にとっては、信じられないぐらいのものでした。僕は今の横浜マリノスの前身の"日産"が好きだったのですが、試合があっても、観客は選手の家族と会社の人たちが少々しか来ていないのではないかという、草野球なみの牧歌的な雰囲気でした。
当時はスポーツと言えば野球しかない!という感じで、多くの家庭のお父さん達は夜になるとTVのチャンネルをプロ野球放送に合わせて、アニメを見たい子供達の不満を買っていたものでした。僕はタイガースファンなのですが、昔のジャイアンツの人気というのは、よく理解できます。ジャイアンツというのは、チョット前のサッカーのレアルマドリードのような感じのスーパースター軍団で、堀内が投げ、森が受け、柴田や高田が走り、超スーパースターの王や長島がホームランをかっ飛ばし大活躍するという図式は、水戸黄門的な分かりやすさがあって、誰にでも受け入れやすいもので、その後も絶大な人気を誇っていたんです。
以前の多くの人たちはこう言ったものです。野球は点が入るから面白いけど、サッカーは退屈だ…と。野球の点が入るまでのプロセスというのは、素人でも分かりやすいものですから、そのことを言ったのでしょう。サッカーの見所はシュートシーンのみで、パスの鋭さや、巧みな足技や、チームとしての戦術ということに感動したりするという楽しみ方を出来なかった当時の多くの人たちにとっては、サッカーは退屈極まりないものだったのです。今はずいぶんと様相が変わりましたけどね。
ダイビングの楽しみ方を考えてみると、まだ多くの人たちが、古き時代のジャイアンツ戦のような楽しみ方を求める人が多いようです。フィッシュウォッチングがダイビングの楽しみ方のひとつの方法として認知された今でも、大瀬に来れば、クマドリイザリウオが居て、ニシキフウライウオが居て、クダゴンベが居て、他にも色鮮やかなトロピカルフィッシュがたくさん、さらにはアンコウが居て、リュウグウノツカイやマンボウが登場…という。スーパースター軍団を求めているようです。だから、そうゆう意味では、今シーズンの大瀬は派手さに欠けていたかもしれません。でも、個人的には、今シーズンの大瀬は、しみじみと味わい深く面白いと思っています。爆発的に人気の生き物たちがたくさん登場したりすることは無いものの、絶えず見所を提供し続けてくれていて、目を離すことが出来ないオモシロさを感じるからです。これはサッカーの試合のオモシロさのような感じです。野球で言うなら、古きジャイアンツではなく、昨年のロッテの試合のような感じでしょうか。要は、海に対する愛情の持ち方次第で無限の楽しさを得ることが出来る状態と言えるでしょう。それは、興味が持てないものに無理矢理に理由をこじつけて面白いものと考えるという種類のものでなく、気が付くと夢中になっていたという種類のオモシロさです。現に僕は潜る本数がやけに増えていて、いつもなら、仕事で潜る日は、仕事の分だけ潜っておしまい…という感じなのですが、このところは、お客さんが来る前に1本とか、お客さんが帰った後にもう1本という感じで、海に入ってしまっています。それぐらい面白いんです。
写真は、外海で見たウミウシカクレエビです。今シーズンは多いようで、一時期は1DIVEで3~4個体見られていました。…で、姿を消してしまったなあ…と思っていたら、ここにきてまた、先週・今週と別の個体が見つかっています。とても美しいエビなので一見の価値ありです。
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Digital Gallery 183 / Gymnothorax kidako
Osezaki Izu Peninsula
OLYMPUS C740 & PT018 + INON UCL-330 M67
f5.6 1/125 ISO100
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裸鰓目(ドーリス目)/ NUDIBRANCHIA
ドーリス亜目 / DORIDINA
フジタウミウシ科 / Polyceridae
ツノザヤウミウシ / Thecacera picta (Baba,1972)
ツノザヤウミウシです。この15年間に関して言えば、居るときはけっこう居て、今年も比較的よく見かけています。
先日UPしたミズタマウミウシ(http://aquaspace.blog1.fc2.com/blog-entry-389.html)とよく似ています。違いは、ミズタマウミウシの黒色斑がランダムに散らばっているのに対して、ツノザヤウミウシの黒色斑は点線状に一直線に並ぶことです。ちなみに、沖縄などで見られるこの種は、黒色斑が途切れずにつながっているそうなのですが、大瀬でも、完全にではないものの、かなり黒色斑がつながっている個体が見られるので、沖縄などで見られるのと同じような個体が見られるかもしれませんね。
裸鰓目(ドーリス目)/ NUDIBRANCHIA
ドーリス亜目 / DORIDINA
フジタウミウシ科 / Polyceridae
ツノザヤウミウシ / Thecacera picta (Baba,1972)
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Digital Gallery 182 / Idiosepius paradoxus
Osezaki Izu Peninsula
OLYMPUS C740 & PT018 + UN PCU-01
f5.6 1/30 ISO100
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イザリウオ科 / Antennariidae
イロイザリウオ / Antennarius pictus (Shaw et Nodder, 1794)
真っ黒いイロイザリウオ。最初に見たときは分かりづらくて、2度3度とイロイザリウオであることを確認したぐらいです。先日紹介した個体も僕の好みにジャストミートしたサイケデリックな装いでしたが、この真っ黒い個体も、かなり僕好みです。見事に真っ黒で、どこに目があるんだかさえ分かりづらいです。
よく見つかる赤や黄の個体なら、居れば気づきやすいのですが、こうゆう目立たない個体は、居ても気づかないことが多いでしょう。…と言うことは、もしかしたら、けっこう他にも居るのかもしれない…と、期待が膨らみます。
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ヤリイカ科(ジンドウイカ科) / LOLIGINIDAE
ヤリイカ(卵) / Loligo (Heterololigo) bleekeri (Keferstein,1866)
湾内にたたずむぷーさん。今日はなんだか雰囲気が違うなあ…と思ったら、なんと立派なたてがみが!
ヤリイカの卵でした。なぜこんなところに産みつけられたのか推理してみました。ぷ-さんの台座の部分にはハート型の穴が開いています。ヤリイカは夜に集団で産卵するのですが、最初は、その穴の中に産卵していたのだと思います。おそらく穴の中がいっぱいになってきて、なおかつ、小さな穴には一回に一個体しか入れないので、待っているヤリイカは面倒臭くなり「ええい!ここに産んでしまえッ!」とぷーさんの背中に産み始めたのではないでしょうか…。そうしているうちに、我も我もと産みつけはじめ、ぷーさんはこのような姿になったのだと思います。
暗闇の中で、ぷーさんの周りを囲むヤリイカの集団。ディズニーアニメでも見られないシュールなシーンが展開されたことでしょう。
ヤリイカ科(ジンドウイカ科) / LOLIGINIDAE
ヤリイカ(卵) / Loligo (Heterololigo) bleekeri (Keferstein,1866)
オーソドックスな産み方。岩の下などに産みつけられることが多いです。
ヤリイカ科(ジンドウイカ科) / LOLIGINIDAE
ヤリイカ(卵) / Loligo (Heterololigo) bleekeri (Keferstein,1866)
ヤリイカ科(ジンドウイカ科) / LOLIGINIDAE
ヤリイカ(卵) / Loligo (Heterololigo) bleekeri (Keferstein,1866)
この画像はトリミングしています
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裸鰓目(ドーリス目)/ NUDIBRANCHIA
ドーリス亜目 / DORIDINA
フジタウミウシ科 / Polyceridae
ミズタマウミウシ / Thecacera pennigera (Montagu, 1815)
ウミウシの仲間のオモシロさは、その色合いと形のユニークさにあるのだと思います。なかでも、このミズタマウミウシやウデフリツノザヤウミウシの形は独特で人気があります。やはり、特徴的な突起がチャームポイントでしょう。
今、大瀬ではたくさんのミズタマウミウシが見られます。毎年、意表を突くように現れるので、何をきっかけに現れるのかが分かりませんが、今なら、ミズタマウミウシ・ウデフリツノザヤウミウシ・カンナツノザヤウミウシ・ツノザヤウミウシの定番4種全てを高確率で見ることができるはずです。
裸鰓目(ドーリス目)/ NUDIBRANCHIA
ドーリス亜目 / DORIDINA
フジタウミウシ科 / Polyceridae
ミズタマウミウシ / Thecacera pennigera (Montagu, 1815)
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Digital Gallery 181 / Antennarius pictus
Osezaki Izu Peninsula
OLYMPUS C740 & PT018
f5 1/250 ISO100
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イザリウオ科 / Antennariidae
イロイザリウオ / Antennarius pictus (Shaw et Nodder, 1794)
昨日UPしたタンザクカクレエビを夢中で撮影しているときです。ピント合わせに目が疲れて、ふとモニターから目を離したとき、視界の片隅に奇妙な違和感を感じたんです。最初は中層を海藻かゴミか何かが流れているんだと思いました。でも、そんなに流れは無いし、よく見てみると、微妙にリズミカルに上下に揺れているんです。その瞬間「ヤツだ!」と、確信しました。最初は岬の先端で発見され、その後、外海で確認されたイロイザリウオです。
そもそも、今回もコイツを撮りにきたのですが姿が見当たらず、仕方が無いので、先にエビの方を撮っておこう…と撮影していたところなのでした。あわてて追いかけたことは言うまでもありません。
まずは、もと居たはずの場所へ追いこみつつ、泳いでいるところを数カット撮影。その後、岩の上に着底したところを撮影…、しかし、ぜんぜん落ち着いてくれない…、次はウミトサカに乗っかろうと何度か試みているようでしたが、ウミトサカが揺れるのでうまくいかないようです(笑)。次に海藻の株の横に着底したのですが、大きなカワハギがやってきて、フーフーと吹かれたのが気に入らなかったのか、また移動開始。再度ウミトサカに降りようとして失敗し、その根元に着底。しかし、居心地が悪いのか、また泳ぎ始めました。噂には聞いていたのですが、ホントにとてもよく泳ぐ個体のようです。でも、まだコイツを見ていないであろう仲間にも見てもらいたいので、なんとか、この場に留まってもらいたいところです。ちょっと離れたところから見ていると、少し離れたところにある岩に着底して落ち着いたようなので、その場を離れました。
その後、見に行った人の話を聞くと、どうやらエリアの外には出ていないようです。この場所を気に入って居ついてくれれば良いのですが…。
イザリウオ科 / Antennariidae
イロイザリウオ / Antennarius pictus (Shaw et Nodder, 1794)
イザリウオ科 / Antennariidae
イロイザリウオ / Antennarius pictus (Shaw et Nodder, 1794)
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テナガエビ科 / Palaemonidae
タンザクカクレエビ / Periclimenes rectirostris (Bruce 1981)
このところ作業だったりOW講習だったりで、撮影はもちろんのことネタ探しもあまり出来ないでいたのですが、今回のOW講習生は優秀で進み具合は予定を上回るペース、今日はその講習生のお友達も海に来ていたので、昼休みにチョット抜け出させていただきました。ほんのひとときですが、貴重なプライベートダイブです(笑)。どうしても撮影しておきたかったのが、井上氏@はごろもMSが撮影していたイロイザリウオと、東野氏@はまゆうMSが撮影していたイロイザリウオ。イザリウオ好きとしては絶対に見ておきたい魅力的な個体です。…で、井上氏と話をしていたところ、タンザクカクレエビも見られるとのことだったので、それもついでに見ておこう…ということになりました。状況が状況だけに思いっきり他力本願DIVEですが、いたしかたありません(笑)。
…で、行ってみると、聞いたとおりの場所を特徴的なウニが移動中でした。このウニはアカオニガゼの仲間とでもいったところでしょうか…。アカオニガゼとはチョット違うような気もしますし、以前、タンザクカクレエビがたくさん着いていたヒラタガゼともチョット違うような気がします。ウニの仲間については思いっきり勉強不足なもので、ぜんぜんワカリマセ~ン。いずれにせよ、とっても足の速いウニで、僕のデジカメのAF合焦&シャッタータイムラグを遥かに上回る速度で移動してしまいます。しかも、AFはコントラストの強いトゲにピントを合わせようとするので、肝心のエビの目にピントを合わせるのに手こずりました。
さて、タンザクカクレエビですが、以前に見たときの印象からすると、小柄なカワイイ個体でした。…とは言え、大瀬で見られるガンガゼエビよりはずっと大きくて、なかなか格好良く魅力的なエビでした。
本命はイロイザリウオだったのですが、やはり、コイツも見ておいて良かったな…と思いましたね。
…で、パチパチと撮影していたところ、僕の右斜め上前方距離約8mぐらいのところを不自然に漂うゴミが視界に引っかかりました。「何だろう?…」と思い凝視してみると、なんとイロイザリウオが中層を泳いで移動中でした。あわてて追いかけたことは言うまでもありません…
タンザクカクレエビが居たウニ
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テナガエビ科 / Palaemonidae
アカスジカクレエビ / Periclimenes psamathe
大瀬では秋から冬にかけて、ウミトサカやヤギに"鈴生り"にたくさんの個体が集まって着いています。テナガエビ科と言っても、あまり手が長くない種も多いのですが、このエビは手が長いです。あまりに長いので、フィルムが現像から上がってくると、鋏の部分が写っていなかったなんてことがよくあります。やはり鋏脚は、エビという生物のアイデンティティですから、フレーミングには要注意ですね。ちなみに上の写真もポリプに隠れてしまってます…。
さて、アカスジカクレエビは、この時期、毎回といっていいぐらい見られるだけに、あまり撮影していなかったのですが、よく潜りに来ている学生君たちの撮ったキレイな写真を見て、撮っておかないとなア…と思い、探してみたのですが、そうゆう時に限って、いいシチュエーションで撮影できなくて…(苦笑)。やはり、一期一会、瞬撮スキルを、さらに磨かねば…と思ったのでした。
テナガエビ科 / Palaemonidae
アカスジカクレエビ / Periclimenes psamathe
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ハタ科 / Serranidae
キンギョハナダイ / Pseudanthias squamipinnis (Peters, 1855)
このところあまり撮っていなかったキンギョハナダイ。撮り始めるとハマッてしまって、他のものを探せなく(撮れなく)なってしまうので、あえて、サラリと撮るだけにしています(笑)。
撮影していてイチバン面白いのは幼魚なのですが、これぐらいのサイズもハナダイらしい優雅さがあって良いですね。今は水温が低くて動きが鈍く、撮影はし易いですよ。
ハタ科 / Serranidae
キンギョハナダイ / Pseudanthias squamipinnis (Peters, 1855)
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Digital Gallery 180 / Hypselodoris kaname
Osezaki Izu Peninsula
OLYMPUS C740 & PT018 + INON UCL-165 M67
f3.2 1/50 ISO100
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裸鰓目(ドーリス目)/ NUDIBRANCHIA
ドーリス亜目 / DORIDINA
ラメリウミウシ科 / Onchidorididae
ミツイラメリウミウシ / Diaphorodoris mitsuii(Baba, 1938)
ドリル状の触角が可愛らしいミツイラメリウミウシは、大瀬湾内のウミウシウォッチングの定番です。とても小さなウミウシなのですが、海底に落ちているロープなどを丹念に見ていけば、黄色い体色が目に入るはずです。
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裸鰓目(ドーリス目)/ NUDIBRANCHIA
スギノハウミウシ亜目 / DENDRONOTIA
メリベウミウシ科 / Tethydidae
ヒメメリベ / Melibe papillosa (Filippi, 1867)
体長30mmぐらいのヒメメリベ。大きなヤツは150mmオーバーに達します。大瀬だと生息場所は広範囲に及びますが、湾内の浅瀬ゴロタ上で見られることが多いです。海藻に紛れてしまいそうな気配なのですが、この独特な櫛状の体形を意識していればけっこう見つかります。特にナイトでは、活発に行動しているので見やすいでしょう。かなり獰猛なウミウシで、眠っているクロホシイシモチを大きな口で丸呑みにしているところを見たことがあります。
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Digital Gallery 179 / Neosynchiropus rubrovinctus
Osezaki Izu Peninsula
OLYMPUS C740 & PT018 + UN PCU-01
f7 1/60 ISO100
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裸鰓目(ドーリス目) / NUDIBRANCHIA
ドーリス亜目 / DORIDINA
フジタウミウシ科 / Polyceridae
ウデフリツノザヤウミウシ / Thecacera pacifica (Bergh, 1883)
今や最も有名なウミウシではないかと思われるウデフリツノザヤウミウシ。今シーズンは、大きいのから小さいのまで本当にいっぱいいます。
上の写真は、いわゆる"ヤッテイルところ"なのですが、これが見ていてオモシロイんです。"ターミネーター2"という映画で、どんな形状にでも変形できる敵が出てきたのですが、その敵の変形シーンを髣髴させる不思議状態を見せてくれます。見ての通り、このウミウシの体表はツルッとなめらかな感じです。…で、2匹のウミウシが触れ合うと、お互いの体の何も無い側面からニュルンと交接器が出てくるのですが、その出てき方が、出てくるというよりは変形すると言った方が良いような不思議な感じなんです。初めて見たときはチョット衝撃的でした。今なら、かなり高確率で、そのシーンを見ることが出来るはずです。まだ見ていない方はぜひとも見てみてください。
裸鰓目(ドーリス目) / NUDIBRANCHIA
ドーリス亜目 / DORIDINA
フジタウミウシ科 / Polyceridae
ウデフリツノザヤウミウシ / Thecacera pacifica (Bergh, 1883)
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裸鰓目(ドーリス目)/ NUDIBRANCHIA
ドーリス亜目 / DORIDINA
フジタウミウシ科 / Polyceridae
カンザシウミウシ / Limacia ornata (Baba, 1937)
なぜ"カンザシ"なのだろうか?"カンザシ"って"簪"だよなあ…こんなんだったかなあ?…と思いつつ撮影。とても個性的なデザインで、こうして写真で見ると派手で目立つように思われるかもしれませんが、体長10mm未満の小さな個体が多く、このデザインも環境に溶け込んで目立たなかったりします。
裸鰓目(ドーリス目)/ NUDIBRANCHIA
ドーリス亜目 / DORIDINA
フジタウミウシ科 / Polyceridae
カンザシウミウシ / Limacia ornata (Baba, 1937)
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ハゼ科 / Gobiidae
クツワハゼ / Istigobius campbelli(Jordan et Snyder,1901)
大瀬で見られるハゼでもっともポピュラーなのが、このクツワハゼでしょう。大瀬全域のいたるところで見ることが出来ます。僕はクツワハゼの行動を見物しているだけで1時間でも2時間でも過ごすことが出来ます。同じ場所にたくさん居るから、社会性のようなものを垣間見ることができて、とても面白いんです。
でも、いくら面白くて興味を持っているからといっても、ガイドをしているときに、「今日はクツワハゼを観察しましょう!」…というわけにはいかないですね(笑)。海の案内をしていてジレンマを感じるのは、そうゆうことだったりします。いつも書いていることですが、いわゆるハトバス観光型ガイドというのは、本意ではありません。初心者を案内するときや、絶対に見ておくべき価値あるネタがたくさんありすぎるときなどに、仕方が無く妥協して、そうすることはありますけど、やはり、ダイビングの醍醐味は自分で見ることだと思うので、その手助けが出来ればいいなあ…というのが、理想だったりします。
ちなみに、このクツワハゼなのですが、なぜ、クツワハゼを観察することがガイドネタとして成立しないのかと言うと、いつでも見れるのだから、特に見るには値しないという発想があるように思えます。でも、いつでも見れる…と言いつつ、じゃあ今までにシッカリ見たことがあるのか?あるいは、今後シッカリ見ることがあるのか?…と問うと、おそらく、多くの人の答えは否ということになるのではないかと思います。
クツワハゼは、水深3m以浅あたりで観察することができます。ダイビングの潜水計画は概ね40分間プラスアルファぐらいで、安全停止水深に戻ってくることが望ましいと思いますから、60分間(或いはそれ以上)の潜水計画を立てるとすると、かなりジックリと観察することは可能なんです。まあ、別にクツワハゼじゃなくてもいいんです。他にもオモシロイ生き物達はたくさん居ますから。もちろん生き物を観察しなければならないなんてこともないですしね。景色を見るんでもいいんです。何にせよ、安全停止水深から水深0mまでにかける時間は思いっきり長いほうが(限度はありますが…)体に優しいダイビングになりますんで、その時間を有効に楽しめればいいと思うのです。
…で、写真は、クツワハゼの喧嘩なのですが、お互いに思いっきり鰭を全開にして威嚇しあってます。当人達は命懸けなのですが、見ている方としては、なんとなく滑稽というか可愛らしいというか…、実に楽しいひとときを過ごすことが出来たのでした。
ハゼ科 / Gobiidae
クツワハゼ / Istigobius campbelli(Jordan et Snyder,1901)
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イザリウオ科 / Antennariidae
イロイザリウオ / Antennarius pictus (Shaw et Nodder, 1794)
Digital Gallery 178は、先月に見つけたイロイザリウオなのですが、この個体は、どうやら同一個体のようです。3cmぐらいの個体です。たった数時間で失踪してしまい、見失っていたのですが、15日朝にokaが違う場所で再発見。しかし、午前中にまた失踪、午後になって、また少し離れた所で見つかりました。同じ場所に定住してくれると見るのが楽なのですが、この個体は落ち着きが無いようです。このところ、また、水温がグンと上がってきているので、元気になったということなのでしょうか…。
イザリウオ科 / Antennariidae
イロイザリウオ / Antennarius pictus (Shaw et Nodder, 1794)
先月は、こんなところでカモフラージュしていた。
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Digital Gallery 178 / Antennarius pictus
Osezaki Izu Peninsula
OLYMPUS C740 & PT018 + UN PCU-01
f5.6 1/80 ISO100
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テンジクダイ科 / Apogonidae
クロホシイシモチ / Apogon notatus (Houttuyn, 1782)
岩場を覆いつくすように密集したクロホシイシモチの大群は、透視度がいい冬の大瀬らしい素晴らしい光景です。
テンジクダイ科 / Apogonidae
クロホシイシモチ / Apogon notatus (Houttuyn, 1782)
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サラサエビ科 / Rhynchocinetidae
ヤイトサラサエビ / Rhynchocinetes conspiciocellus
ヤイトサラサエビは、大瀬では、Theサラサエビに次いで見られるサラサエビの仲間。腹節の模様が複雑なのと、腹節背面にある暗色斑が見分けるポイントです。大瀬では、他にも、サンゴサラサエビが見られますし、南方系のスザクサラサエビもときどき見られます。スズメのように普通にたくさん見られるサラサエビですが、よく見ると、違うヤツが混じってるというわけです。
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ハタンポ科 / Pempherididae
キンメモドキ / Parapriacanthus ransonneti (Steindachner, 1870)
スケルトンボディが魅力的なキンメモドキ。大きなかたまりを作るような群れ方は、よく写真に撮影されていますが、残念ながら大瀬では大きな群れを見たことはありません。西伊豆のポイントでは、群れになっているのを何度か見たことがあるので、大瀬でも見られる可能性はあると思うのですが…。南方系の魚だけに、その年の潮の具合によって、登場の仕方(数や時期)が変わってきます。たいていの場合、クロホシイシモチの群れやミナミハタンポの群れに数個体が混ざっているという感じです。
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アジ科 / Carangidae
ブリ / Seriola quinqueradiata (Temminck et Schlegel,1845)
昨年の秋、大瀬の湾内に十数匹の群れで登場し話題になった大きなブリですが、この時期になっても時々うろついている姿を見かけます。タカベの群れも居ついているので、とりあえず、食うには困らないというところなのでしょうか?低水温で餌がふんだんにあって、なおかつ運動量が少ないであろう湾内という狭い環境内で暮らしていると、さぞかし脂が乗ってきているのではないだろうか…などと考えていたら、ふと、思い浮かんだことがあります。そもそも外洋性のはずのブリが、なぜ湾内に長いこと定住しているのだろう?と思ったりしていたもので…。
大瀬の近くには、ハマチ(=ブリ)の養殖生簀がたくさんあるんですが、以前、作業を頼まれて、その養殖生簀の中に入ったことがあります。生簀の中で旋回する物凄い数のハマチたちは、全盛期のシパダンのギンガメアジ・トルネードを髣髴させる迫力でした。この生簀を大瀬に持ってきたら、さぞかし人気を呼ぶだろうな…などと、不謹慎なことを考えたりもしたぐらいです(笑)。
さて、去年は強い台風がやってきたりしていましたが、そんなときには、かなりの数のハマチたちが生簀から逃走したことが考えられます。(台風の後の大瀬では、やはり養殖されているマダイの数も増えますからね。)仮に、湾内に居ついているブリたちが生簀育ちだったとしたら、外洋にいるよりも、今の湾内の方が居心地がいいのではないかなぁ…なんて思ったりしたのでした。まあ、単なる想像ですけどね。
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スズメダイ科 / Pomacentridae
ソラスズメダイ / Pomacentrus coelestis (Jordan et Starks, 1901)
ソラスズメダイ。写真の個体は、まだキレイなブルーですが、最近は、ほとんどの個体が黒っぽくくすんでしまってます。水温が下がると黒っぽくなってしまうようです。せっかく透明度が良いのに残念です…。
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ベラ科 / Labridae
モンツキベラ / Bodianus diana(Lacepede,1802)
幼魚
大瀬で見られる南方系ベラの定番で、ソフトコーラルに寄り添うように泳いでいる姿を見かけることがあると思います。
秋から冬にかけて、幼魚は普通に見られるのですが、成魚の姿を見たことは無いので、大瀬の冬を越すことは出来ないのでしょうね。ベラの仲間は、似たようなデザインの色違いという感じの他種が多いので、見比べるとオモシロイのですが、大瀬では、モンツキベラ以外を見られる機会が少ないのが残念です。
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寒い!寒い!寒い!…と、呻きつつ器材をセッティング、冬の海の寒さは潜ろうというモトベーションを思いっきり下げてくれます。特に今年は本当に寒い!
でも、海に入ると、スコ~~~~~ン!と抜けた青い世界が広がって、寒さなんて忘れてしまうというものです(でも今日は防寒対策を怠ったので30分間ぐらいでシビレましたが…(苦笑))。
今は、ほんとうにすごく水がキレイです。透視度は軽く20m以上あるでしょう。伊豆ブルーとでも言うのでしょうか、南の海の透視度の良さは水の存在を忘れさせるクリアな感じですが、伊豆の海のそれはチョット違っていて、あくまでもそこに水が存在していて尚且つクリアだという感じ、クリスタルのような透明感です。それこそが伊豆の海の魅力と言ってもいいでしょう。
透視度がイイので、いろんなものがハッキリと見えます。クロホシイシモチの巨大な群れは、まるで沸き立つ雲のような迫力です。そんな光景を眺めていると、いきなり視界に飛び込んできたのが写真の鳥です。おそらく海鵜(ウミウ)ではないかと思うのですが、クロホシイシモチの群れの中に電光石火の勢いで突っ込み、1匹…2匹…3匹と嘴で捕らえると、水面に泳ぎ去っていきます。その迫力満点のシーンは、まさに野生を感じさせてくれますね。寒さを忘れて見入ってしまいました。
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マダコ科 / Octopodidae
ヒョウモンダコ / Hapalochlaena fasciata (Hoyle,1886)
強い毒を持っていることで有名なヒョウモンダコですが、その美しい模様は被写体として実に魅力的で、ダイバーからは人気があります。まあ、毒があると言っても、向こうがこちらに向かってきて噛み付く…なんてことはないわけで、中世浮力をシッカリとって海中ではものに触れないという、常識的なマナーある行動をとっていれば無害ですから(笑)。
ヒョウモンダコの毒はテトロドトキシンという毒です。いわゆるフグ毒と同じもので、捕食の際に用いられ、相手を噛んだときに唾液腺から分泌されます。ちなみに、タコの仲間は、敵から攻撃を受けると墨を吐いて身を守りますが、ヒョウモンダコは墨の袋が退化してしまっているそうです。毒という武器を持っているので、墨は必要無いということなのでしょうね。
マダコ科 / Octopodidae
ヒョウモンダコ / Hapalochlaena fasciata (Hoyle,1886)
マダコ科 / Octopodidae
ヒョウモンダコ / Hapalochlaena fasciata (Hoyle,1886)
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Digital Gallery 177 / Pseudanthias squamipinnis
Osezaki Izu Peninsula
OLYMPUS C740 & PT018 + INON UCL-165 M67
f6.3 1/100 ISO100
Copyright Matsukawa Soichi. All rights reserved.
ハゼ科 / Gobiidae
クロイトハゼ / Valenciennea helsdingenii(Bleeker,1858)
年によって多かったり少なかったり(見られたり見られなかったり)するのですが、基本的には伊豆では、わりと普通に見られる種と言って差し支えないでしょう。同じクロイトハゼ属の仲間では、ササハゼ次いで、よく見られる種です。この仲間の例に漏れず、砂を口に頬張り、砂中の餌を食べて、鰓から砂だけをパラパラと捨てるという行動を見ることが出来ます。その様子が可愛らしいので、見れるとウレシイ魚です。
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裸鰓目(ドーリス目) / NUDIBRANCHIA
ミノウミウシ亜目 / AEOLIDINA
アオミノウミウシ科 / Glaucidae
スミゾメミノウミウシ / Protaeolidiella atra (Baba, 1955)
大瀬湾内で撮影した個体。大瀬で最も確実に見ることが出来るウミウシかもしれません。
よく見かけるのですが、どこが頭なのか分からないような感じに縮こまっていたり、数個体でこんがらがるようにしていることが多く、なかなかキレイに撮影する機会に恵まれないのですが、このときは、幸運なことに、活発に活動中のこの個体に出会うことが出来まして、わりと格好良く写真に収めることが出来ました。
水温13.6度、この時期としては異例な低水温です。この水温が底値だと良いのですが…。
10年ぐらい前だったと思うのですが、とても寒い冬で、低水温の日々が続き、クマノミはもちろんのこと、キンギョハナダイまでが全滅してしまい、しまいには、クロホシイシモチやスズメダイといった魚たちまでもが弱りきっていた時のことを思い出しました。あの時は、しばらくの間、海の中が寂しくなってしまい、その年の秋になって、やっとで現れた3~4個体のキンギョハナダイの幼魚を見つけただけで喜んでいた…という悲惨な状況でした。いわゆるスタンダードな大瀬らしさをキープするためには、水温が低いときでも概ね14度ぐらいまでであってくれて、できることなら、その低水温期間は短ければ短いほど良いのですが…。チョット心配です。
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Contrust scale (graduated 16steps)
sRGB - Gamma : Windows (2.2) - White point : 6500°k
1024 x 768 True color (32bit)
font size : medium
"Diver's High Blog"を御覧いただきまして、ありがとうございます。
大瀬崎や井田の海の中は生き物達の楽園。
ここで見られる魚は、600種とも700種ともいわれています。
そんな海での一コマから、海の素晴らしさのほんの一部分でも紹介できたらと思います。
ちなみに、各エントリーのタイトルが掲載画像の生物名になっていますが
書かれている文章は、必ずしもその生物に関することだけではないので悪しからず…
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ただし、[トリミング有り]と書かれている画像は、生物を分かりやすく紹介するために、トリミングをおこなっています。