イザリウオ科 / Antennariidae
ベニイザリウオ / Antennarius nummifer (Cuvier, 1817)
大瀬で季節を問わず何時でも逢う事が出来るのがベニイザリウオです。伊豆でもっともポピュラーなイザリウオでしょう。それ故か、大人気という感じではないのですが、伊豆らしいイザリウオという気配も濃厚で、個人的には大好きな魚です。
イザリウオ科 / Antennariidae
ベニイザリウオ / Antennarius nummifer (Cuvier, 1817)
門下に居たピンク色っぽい個体
イザリウオ科 / Antennariidae
ベニイザリウオ / Antennarius nummifer (Cuvier, 1817)
岬の先端で見かけたカモフラージュ系
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ベラ科 / Labridae
フタホシキツネベラ / Bodianus bimaculatus (Allen,1973)
ダイビングを始める以前は、魚達のクリーニングはホンソメワケベラが一手に引き受けているのだと思い込んでいたのですが、海に潜って観察をしていると、じつに多くのクリーニング屋さんが存在することを知りました。
ホンソメワケベラの白黒ストライプがクリーニング屋の目印になっているのは間違いないところで、他のクリーナーたちも同じような体色をしているケースが多いです。でも、このフタホシキツネベラのような色鮮やかなクリーナーもいます。この魚がクリーナーだということを、他の魚たちはどうやって知るのでしょうね?
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裸鰓目(ドーリス目) / NUDIBRANCHIA
ミノウミウシ亜目 / AEOLIDINA
アオミノウミウシ科 / Glaucidae
ハクセンミノウミウシ / Cratena lineata (Eliot,1904)
ハクセンミノウミウシは、外海や岬の浅瀬でよく見られるミノウミウシの仲間です。触角の形状・付け根にあるオレンジ色(黄色)の斑紋・背側突起に入る白い模様などから、このウミウシであると判断できる場合が多いのですが、体色の変異が多く、大瀬で見られるこの種は、その名の由来になっていると思われる背面に入る多数の白色縦線が見られないタイプがほとんどだと思われます。
ウミウシウォッチングを楽しむのに絶対にあったほうが良いのが、ウミウシを紹介した図鑑やガイドブックなのですが、今、唯一お奨めできるものと言えるのが"本州のウミウシ-北海道から奄美大島まで-(中野理枝著)"です。写真点数1200、掲載種数650という充実のウミウシ本ですので、これがあれば、より楽しいウミウシウォッチングが出来ること間違い無しです。
本州のウミウシ-北海道から奄美大島まで-
中野理枝著
価格 ¥2,980 (税込)
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裸鰓目(ドーリス目) / NUDIBRANCHIA
ミノウミウシ亜目 / AEOLIDINA
サキシマミノウミウシ科 / Flabellinidae
サキシマミノウミウシ / Flabellina bicolor(Kelaart, 1858)
水温がグングン下がり12月だというのに14度を切りそうな勢いです。ここ数年、この時期に、こんなに冷え込むことは無かったですねえ。まあ、寒いと分かっていれば、寒さ対策を万全にすればOKです。インナーに簡易カイロを貼りまくって(現在8枚)、厚手のグローブ&フードの冬仕様で臨みます。
さて、海の中ですが、砂地を薄っすらと覆う藻類が目立つようになりました。そうなると、繁殖期を迎えたウミウシたちの姿が多くなってきます。写真はサキシマミノウミウシ。大瀬では季節を問わず見ることが出来るポピュラーなミノウミウシの仲間で、写真に撮ると何故かブルーになってしまうことが多いのですが、体色は純白で、背側突起の先端のオレンジ色が鮮やかな美しいウミウシです。季節を問わず見られるとは書いたものの、やはり旬の時期はあるようで、見るなら今がベストではないかと思います。旬を過ぎると、背側突起が縮れたようになっていたり脱落してしまっていたりすることが多いので、活きのいい個体を撮影するなら早いうちが良いですね。サキシマミノウミウシはヒドラの仲間を食べるのですが、そのヒドラの仲間は決まっているので、同じ場所で数個体が集まり産卵していることが多いです。
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ベラ科 / Labridae
タコベラ / Cheilinus bimaculatus (Valenciennes,1840)
大瀬のどのポイントでも普通に見られる魚ですが、その個性的な容姿は、もうチョット注目を浴びてもいいのにな…と思います。タコベラはカメレオンのように体色をどんどん変化させる魚で、この時も、このカットを撮った後、地味なくすんだ色になってしまいました。おそらく追い掛け回したことを嫌ったのでしょう。でも、もっと派手な色でいることも少なくないですし、10個体見たら全部色が違うというぐらい自己主張の強い魚ですから、見かけたらよく見てみると楽しいと思いますよ。
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Digital Gallery 176 / Trimma grammistes
Osezaki Izu Peninsula
OLYMPUS C740 & PT018 + INON UCL-165 M67
f3.5 1/30 ISO100
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テンジクダイ科 / Apogonidae
キンセンイシモチ / Apogon properuptus (Whitley,1964)
気にしてみているうちに、ライン型らしき個体が目に入ってくるようになってきたのですが、はたして、これがライン型なのかドット型なのか…という部分で自信を持てなくて悩んでしまいます…(笑)。
この個体は、あきらかにドット型の群れ(8個体)の中に混じっていたのですが、この個体だけ極端に色が違っていて、腹部の縦線がライン状になっていました。写真に撮ると破線状に見えるのですが、目視でははっきりとライン状に見えたので、ストロボ光の反射の具合で破線状になってしまうこともあるのかな?…と思いました。この写真は白飛びを嫌ってストロボ光量をかなり落としたので、やや青カブリしていますが、ドット型と比べると、黄色の彩度が際立って強いものでした。ライン型と考えて良いのではないかと思ってます。
ライン型を認識できたということが、この日見たフリソデやコールマニよりも、個人的にはホットなネタでした(笑)。
参照 → 2005年12月12日 キンセンイシモチ / 大瀬崎
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Digital Gallery 175 / Scorpaenodes littoralis
Osezaki Izu Peninsula
OLYMPUS C740 & PT018
f5.6 1/5 ISO100
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テナガエビ科 / Palaemonidae
コールマンズシュリンプ / Periclimenes colemani
今日(12/18)の岬は透視度がイマイチで深場はかなり薄暗くなっていました。こんなときはセオリー通りにイイジマフクロウニをチェックしなければなりません。深~いところに居るヤツが上がってきてたりしますからね。
チェックといっても、このエビ狙いであれば、ホストのイイジマフクロウニが目立つウニなので、居るか居ないかは別として、探すこと自体はムズカシくないです。チェックポイントもシンプルで、棘の刈り込み具合に気をつけます。たいていの場合、一直線ハゲはゼブラガニ、十円ハゲなら、コイツの可能性があります。今年は、エビの仲間の調子がイイので、他にも2~3種類ぐらい話題性のあるヤツが出てくれないかな…なんて期待してしまいます。
さて、12月のクリスマスあたりから1月にかけては、クリスマスプレゼント…あるいはお年玉かのように、いわゆる大瀬の人気ネタが登場する確率が非常に高い特異シーズンとも言うべき時期です。おそらく、水温の下降線が急カーブを描き始めるのが、この頃のことが多いので、そうなるのであろう…と考えています。
今日(12/18)は、このコールマニを見つけることが出来たので、コイツがクリスマスプレゼントなのかな…と思っていたら、今週末はクマドリイザリウオも出ていたようです。僕がはごろも常連さんの方から聞いた話では、ガイドネタには使えないような(笑)かなり深めに居たとのことだったのですが、他にも情報があるようで、それが同一個体なのか別の個体なのかは確認できてません。個人的には浅~いところで見たいかな。
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フリソデエビ科 / Hymenoceridae
フリソデエビ / Hymenocera picta
寒い!寒すぎる!ついこの間までは、陸上は寒くても、海に入ると、しみじみと「暖かいな~」と感じるほどだったのに、水陸ともに冷えてます。僕の場合、プライベートDIVEだと、たいてい1DIVEあたり2時間は海の中にいます。2本潜れば4時間、3本潜れば6時間…、エキジット間近になると、さすがに暖かくはないのですが、それでも、つい最近までは耐えるという感じはまったくなかったんです。今日は、1本目90分間・2本目60分間のダイビングだったのですが、2本目なんかは、エントリーして20分も過ぎた頃には、底冷えしてトイレに行きたくなりました(苦笑)。インナーウェア等を冬場仕様に衣替えしなければならないようです。
さて、失踪したと聞いていたフリソデエビですが、エキジット直前にトイレを我慢して探してみました。最後に見た場所は、その後も捜索されたようで石の並びが変わったせいか、隙間が詰まったような感じになっていて、見るからに居そうな気配が感じられなかったので、ちょっと離れた場所を探してみたところ、運良く見つけることが出来ました。これはもうクジ引きみたいなものです。
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Digital Gallery 174 / Labracoglossa argentiventris
Osezaki Izu Peninsula
OLYMPUS C740 & PT018
f3.2 1/200 ISO100
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クロユリハゼ科 / Ptereleotridae
ヒメユリハゼ / Ptereleotris monoptera (Randall et Hoese,1985)
ヒメユリハゼは大瀬でよく見られるハナハゼと同じクロユリハゼ科のハゼの仲間です。大瀬では7~8個体で小さな群れを作っている姿がよく見られます。尾鰭の軟条が長く伸びるハナハゼのようなインパクトが無いですし、水中で見ると体の後半が黄色っぽくて尾鰭の軟条が伸びていないハナハゼ…といった感じの、とても地味なイメージのサカナで、ほとんどのヒトは、素通りするかチラリと見てお終いという感じです。でも写真に撮ると、なんとも美しいマゼンタとブルーのストライプが浮かび上がり、惚れ惚れさせられます。
…なんて紹介するのは、実は良くないのかな…とも思うんですけどね(笑)。海の中で美しさや面白さを発見することは、ダイビングの最大の喜びですから。その楽しみを奪うのは良くないことではないかと思ってしまうんです…(苦笑)。
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裸鰓目(ドーリス目) / NUDIBRANCHIA
ドーリス亜目 / DORIDINA
イボウミウシ科 / Phyllidiidae
タテヒダイボウミウシ? / Phyllidia varicosa (Lamarck,1801)?
岬の先端、水深20mにて撮影。体長3cmぐらいの個体です。おそらくタテヒダイボウミウシではないかと思うのですが…。どうゆうわけか僕の場合、イボウミウシの仲間を見つけても、図鑑に掲載されていることが多い典型的な体色のヴァージョンに当たらないので、コイツは何だろう?…と、いつも混乱してしまいます。
図鑑でタテヒダイボウミウシを調べると、たいてい背中に並ぶ突起は黄色いヴァージョンの写真が掲載されているのですが、例によって、この仲間は色違いもあるようですし、腹足の中央を走る黒色縦線があることも、タテヒダイボウミウシではないかな…と思った根拠です。でもツノキイボウミウシってのも怪しいなあ…。また、分からなくなってきました(苦笑)。分かる方いたら、ぜひ教えてください~。
裸鰓目(ドーリス目) / NUDIBRANCHIA
ドーリス亜目 / DORIDINA
イボウミウシ科 / Phyllidiidae
タテヒダイボウミウシ? / Phyllidia varicosa (Lamarck,1801)?
裸鰓目(ドーリス目) / NUDIBRANCHIA
ドーリス亜目 / DORIDINA
イボウミウシ科 / Phyllidiidae
タテヒダイボウミウシ? / Phyllidia varicosa (Lamarck,1801)?
B面はこんな感じです。
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ハタ科 / Serranidae
ナガハナダイ属の一種 / Pseudanthias rubrolineatus (Fourmanoir & Rivaton 1979)
通称スジチガイ。スジハナダイのようなストライプが入っているんですけど、その入り方が違うんです。まだ和名はついていません。
大瀬だと通常は水深50m以深あたりで見られることが多いサカナです。今回、最初に見つけたときは43m、次の日に見に行ったら38mで確認することができました。この種としては浅い水深でしたし、求愛行動中らしく実にキレイな婚姻色になっていたので、なんとか写真に撮りたかったのですが、最初に見つけたときは諸事情でまともに撮影できず、次の日は暗過ぎて、ピントをまともに合わせることが出来ず写っていたのは上の写真1枚のみ…、しかも見事にターンを決めてくれたので、肝心のスジが見えません~!(苦笑) 普段なら、やや正面からを狙って撮りたいと思うのですが、今回は記録写真が目的なので、特徴であるスジが分かるように横から撮らなきゃダメなのに…。トホホ…という感じです。久しぶりに一眼レフを使いたくなりました。
仕方が無いので、遠めから撮った写真(下)もUPしておきます。とりあえず、スジが違うことは分かるかと…(苦笑)。
ハタ科 / Serranidae
ナガハナダイ属の一種 / Pseudanthias rubrolineatus (Fourmanoir & Rivaton 1979)
(距離が遠く、かなり青被りしていたので、思いっきり補正した画像です)
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テンジクダイ科 / Apogonidae
キンセンイシモチ / Apogon properuptus (Whitley,1964)
色鮮やかでキレイな魚というと、ハナダイの仲間や、いわゆるトロピカル系の魚たちに代表される原色系の体色を持った魚をイメージされる方が多いようだが、素材感と言うか、光沢感と言うか、一見派手ではなくても、よく見ると惹き込まれるような美しい輝きを持っている魚たちというのも少なくない。例えば、このキンセンイシモチなどは、伊豆で普通に見られる種なのだが、僕は最も美しい魚のひとつではないかと感じている。一度、その七色に輝く様をジックリと見ていただけたらと思う。現物はこんな写真とは比べようも無いほど美しい。特にナイトダイビングなどでライトの光に照らされた、イシモチの仲間はオパールのような輝きを放つので必見である。
さて、今やあまりにも常識となっていることだが、このキンセンイシモチには2タイプの存在があることが知られている。この2タイプは別種ではないかと考えられていて、キンセンイシモチという和名の魚が2種に分かれる可能性が大きく、実に興味深いところなのだが、そのあたりは、熱心に探求されている方たちのWEBサイトがあるので、そちらをご覧ください。
…で、どうゆう2タイプなのかと言うと、腹部の縦線がドット状になる「ドット型」と、実線状になる「ライン型」が存在するのだが、大瀬で通常に見られるほとんどの個体は、いわゆる「ドット型」である。…と言うか、僕は「ライン型」を確認できていない(苦笑)。要は情けない話で、興味がありつつもシッカリと見ることが出来ていないということなのだが、少なくとも、ふと思い立ってチェックしてみたりしたときなども、「ドット型」しか見つけることが出来なかったのだ。東伊豆では何度も「ライン型」を見ている。ちなみに、腹部の縦線以外には尾鰭中央に入るストライプもチェックポイントになる。
では、大瀬に「ライン型」は居るのか?…ということになるのだが、これはもう確実に居る。すでに、知人達が確認し撮影しているので間違いない。…で、この日は、シッカリ探してみようと思い、あちこちのキンセンイシモチたちをチェックして回ったのだが、やはり「ドット型」ばかりしか見ることが出来なかった。…と言うか、「ライン型」を見れた!…と思ったのだが、写真で見てみると、どうもラインの明瞭感に欠け、「ライン型」だと言い切れるものではないのだ。むしろ、この後、ドットが明瞭になっていくかのような気配すらある(笑)。
「ライン型」は南方系であると言われているので、これから寒くなってくると、探すのがよりムズカシくなってきそうなので、きちんと探さねば…と思ってはいるのだが…。
テンジクダイ科 / Apogonidae
キンセンイシモチ / Apogon properuptus (Whitley,1964)
ラインっぽく見えたのだが、これは点線。ということはドット型?…。
テンジクダイ科 / Apogonidae
キンセンイシモチ / Apogon properuptus (Whitley,1964)
これも点線…。
テンジクダイ科 / Apogonidae
キンセンイシモチ / Apogon properuptus (Whitley,1964)
これは明らかに「ドット型」。上の2枚と同じくらいのサイズの個体ということで…。
テンジクダイ科 / Apogonidae
キンセンイシモチ / Apogon properuptus (Whitley,1964)
う~~~む…
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フリソデエビ科 / Hymenoceridae
フリソデエビ / Hymenocera picta
今日の朝、器材をセッティングし、今や岬に向かおうという時、ちょうどokaが湾内から戻ってきた。…で、少々興奮気味にフリソデエビが居たことを教えてくれた。そこで急遽予定変更、場所を説明してもらい湾内に向かうことにした。こうゆう場合、見れないことがホントに多いのだが、okaが見た10分後には、その場所に行けるというタイムラグの短さと、朝早い時間で、まだダイバーが少なく、荒らされている可能性が極めて低いであろうと判断したからだ。
その場所に行くと、まさに説明通りの目印の石が2つ。「おはようございます」と声をかけて、石の下を見てみた。ん?…、居たのはサラサエビの子供が数匹…、フリソデエビの姿は影も形も見当たらない…。残念ながら移動してしまったようだ。周囲を探そうかとも思ったが、エントリーしたばかりなのに、ここでフリソデエビ探しを始めてしまって、貴重なダイビングの時間を消費するというのは、あまりにも性に合わない(笑)。他にも見たいものや探したいものはいっぱいあるし…。そこで、帰り道に寄って、安全停止がてら探そうと決め、湾内で遊ぶ。キンセンイシモチのバージョンチェックをしたり、タカベやキビナゴの群れと戯れたり、カスミアジやギンガメアジを追いかけたりして約2時間後、戻ってきてみると、さっき見た光景とはまったく別の光景が…。海底の色が1m四方ぐらいの範囲だけ違うのだ。誰かが徹底的に探してくれたらしい…、きっとokaが情報を知らせたんだろう…と思いつつ、1分間ほど探してみたが、どう見ても居そうに無いので他の場所に向かった。okaが知らせる面々を考えてみると、居たのなら絶対に見つけているはずだし、見つからなかったのなら同じ場所を探すことに意味はないからだ。ちょっと仕切り直しが必要かな。
海から上がって話を聞くと、どうやらoka以外は誰も見ていないらしい…。そう聞くと、だったら探したいな…と、またもや闘争心が沸いてくるのだが、ここは、あえて抑えて、2本目は予定通り岬にスジチガイを見に行く。2本目の潜水から戻ってきたのは15時過ぎ。その時点でもまだ再発見されていないらしかったので、残タンクで探しに行くことにした。タイムリミットまで30分間少々、時間的にも、ちょうどいいぐらいの塩梅だと思った。何と言っても、今はツキがあるからハズす気がしない(笑)。
さて、どこから探そう?…と考え、すでに探したヒトたちが手をつけていないあたりから探すことにする。…で、探し始めて約5分間後、わりとアッサリと、その可愛らしい姿を石の隙間に見つけることができた。タイミングも良かったのだろう。多くのヒトが潜りたがらない冬場の午後遅い時間帯というのは、こうゆうのを探すには最高の時間帯なんだと思う。あと、現在の「強運」が継続中であることも認識できた(笑)。
さて、ほとんどのダイバーがエキジットしてしまった後という時間だけに、約30分間ジックリと観察できたのだが、面白いことに気づいた。あくまでも印象に過ぎないのだが、フリソデエビの特異な平べったい鋏脚は、泳ぐときにグライダーの翼のように水中を滑空するのに使っているようなのだ。実に滑らかに滑るように泳ぐ姿はエビ離れしていて面白かった。そして、よく見てみると、思っていた以上に複雑なスタイルのエビだということも分かった。今、こうして写真を見てみると、もうちょっと違う撮り方もあったなあ…と思う。まあ、いずれにしろ、コイツがとても魅力的なエビであることは再認識できた。写真よりもホンモノの方が100倍カワイイ。
okaちゃん、ありがとう。また面白いのを見つけてきてくれ。
フリソデエビ科 / Hymenoceridae
フリソデエビ / Hymenocera picta
フリソデエビ科 / Hymenoceridae
フリソデエビ / Hymenocera picta
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ドチザメ科 / Triakididae
ドチザメ / Triakis scyllium (Muller et Henle,1841)
見た瞬間に笑ってしまうことってありますよね。
湾内で安全停止を終えて、「あとはゴロタエリアで小っちゃいウミウシとか小っちゃいエビなんかを探しながらエキジットだ~」と思いつつ、石の隙間を覗き込みながら移動中、いきなり目の前にコイツの顔がありました。ドキッとして現実離れした違和感を感じた次の瞬間、思わず笑ってしまいました。
湾内の水深2mでの突然の遭遇です。あわてて何枚か写真を撮ったのですが、波が強いし、エキジット間近でウェイトは軽いし、レンズの画角は狭いし、こんな写真しか撮れませんでしたけど…(笑)。
大瀬でドチザメを見るのは久しぶりです。先日のマンタといい、今日のドチザメといい、このところ「大物運強し」です。相変わらずの「引きの強さ」に自分のことながら感心してしまいますね。水温もイイ感じになってきたし、次はマンボウを見る予定です(笑)。
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裸鰓目(ドーリス目) / NUDIBRANCHIA
ミノウミウシ亜目 / AEOLIDINA
アオミノウミウシ科 / Glaucidae
ツルガチゴミノウミウシ / Favorinus tsuruganus (Baba & Abe,1964)
ウミウシを観察しやすい季節になりました。ガイドをしているときなど、小さなウミウシを見つけて紹介すると「どうしてこんなに小さいのを(見つけられるのか)!」と驚かれることが多いのですが、ウミウシ探しはわりとカンタンです(笑)。…じゃないと、いくらキレイだからといっても、こんなにブームと言えるほど人気が出たりしないですよね。
まず、探し方のコツは、とにかく狭い範囲をシッカリじっくりと見ることです(最初は30cm四方ぐらいの範囲を30秒かけて探すぐらいのユックリペースが良いでしょう)。ウミウシは種によって棲んでいる場所が決まっている場合が多く、慣れてくるとシッカリ探すべき場所の傾向が分かってくるでしょう。例えば湾内の場合、ロープやコンクリートのケーソン・鉄製の生簀の枠・土嚢…などなど、海底にあるモノを探すと良いでしょう。特にヒドラやコケムシやカヤの仲間がついているような場所は、非常に高い確率でウミウシを見つけることができるはずです。米粒や胡麻粒サイズの個体も多いので、シッカリ凝視してください。出来ることなら強力な水中ライトを持っているとなお良いです。探すのにあまりにも時間をかけ過ぎると光を嫌うので逃げられてしまうことが多いのですが、シッカリ見ていれば、その逃げようとする動きが視野にひっかかってくるはずです。あと、浅瀬の石の裏面なども、最も数多くのウミウシを見つけることが出来るポイントなのですが、石をひっくり返すときは静かに、そして、隠れている生物がベラの仲間などに食べられてしまわないように気をつける必要があります。もちろんひっくり返した石はキチンと元に戻しておきましょう。
さて、写真はツルガチゴミノウミウシ。ウミウシの卵を食べてしまうことで有名なミノウミウシの仲間です。当然、ウミウシの卵がある場所に居るわけで、このウミウシを見たら近くにウミウシの卵があったり、他のウミウシが見られたりする可能性が高いと言えるでしょう。また逆に、このウミウシを探すなら、ウミウシの卵があるところを丹念に探すというのが良い方法です。
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トラギス科 / Pinguipedidae
トラギス / Parapercis pulchella(Temminck et Schlegel,1843)
大瀬湾内に潜れば必ず出会うことができるトラギス。今年はやけに数が多いような気がします。見ての通り、なかなかフォトジェニックな魚なのですが、性質がかなり獰猛なので、困らせられることが多いです。小さな生物を撮影していると、いつの間にか近寄ってきてパクリと食べてしまうんです。何度トラギスに撮影の邪魔をされたことか数え切れません。撮影中はトラギスに要注意です。
トラギス科 / Pinguipedidae
トラギス / Parapercis pulchella(Temminck et Schlegel,1843)
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ヨウジウオ科 / Syngnathidae
タカクラタツ / Hippocampus takakurae (Tanaka,1916)
湾内のタカクラタツ。大瀬では稀に外海に現れることもあるのですが、湾内に登場することが圧倒的に多いです。恐らくどちらかというと内湾的環境を好むのでしょう。去年見られた個体は大きくて、いろいろな色に体色を変化させてくれたのですが、コイツはどうでしょう?今は典型的な茶褐色ですが、黄色くなってくれたりしたら見栄えがいいんですけど…(笑)。
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イザリウオ科 / Antennariidae
オオモンイザリウオ / Antennarius commersoni (Latreille,1804)
明日からまた連荘で清水港内での作業潜水、透視度10cmのヘドロの中を潜ります。…というわけで、更新が滞る可能性大なので、まとめてUPしておきます。
オオモンイザリウオの幼魚、ずいぶん前に井上氏@はごろもに教えてもらった個体です。ずいぶん大きく育ちましたね。
外海で人気のサカナだったんですが、そのせいか例によって、このコの居るあたりは荒れまくってます。最初はジュズエダカリナについていたのですが、そのジュズエダカリナは千切れて落ちていました。悲しいですね~。
イザリウオ科 / Antennariidae
オオモンイザリウオ / Antennarius commersoni (Latreille,1804)
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裸鰓目(ドーリス目) / NUDIBRANCHIA
ドーリス亜目 / DORIDINA
イロウミウシ科 / Chromodorididae
ニシキウミウシ / Ceratosoma trilobatum (J. E. Gray, 1827)
背中に乗っかっているウミウシカクレエビばかりが注目を浴びて、完全に脇役になってしまっているニシキウミウシですが、大型でとてもキレイなウミウシです。普段はこんなにまで注目を浴びることはないでしょうから、かなり焦ったりしているのでしょうか?そもそも色彩変異が多い種なのですが、こうして、ウミウシカクレエビがついていたりすると、クローズアップで撮影されることが多くなるので、今まで見落としていた差異に気が付くようになります。よくありがちな撮り方として典型的なのが、二次鰓に寄り添うウミウシカクレエビのクローズアップ写真で、撮りやすい被写体だけに前から横から斜めから…と、いろんなカットを撮影します。…で、その二次鰓を見てみると、淡色だったり点線状に色が付いていたりと様々です。個体差なのか、同じ個体でも色が変わるのか…、どっちなんだろう?
テナガエビ科 / Palaemonidae
ウミウシカクレエビ / Periclimenes imperator
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カミソリウオ科 / Solenostomidae
カミソリウオ / Solenostomus cyanopterus (Bleeker,1854)
外海のカミソリウオのペア。ちょっと前までの定番人気ネタです。UPしようと思っていたのに、タカベとかウミウシカクレエビとか先に紹介したいネタが続いたもので、遅れに遅れて今日になりました。ちなみに、先週末の時点で失踪してます(苦笑)。
よく、「今年は南方系が少ない」と言う声を聞きますが、個人的には少ないとは思いません。例年通りと言ったところでしょうか。2002年大瀬のトロピカルフィッシュ・バブルを引きずっているヒトが、けっこう多いのかな。むしろ、あの年の方が異例と言うべき年だったんだと思います。年によって現れる魚の傾向が違うのですが、今年は共生ハゼなどは豊作でした。目につきやすいチョウチョウウオの仲間や、人気を呼ぶことが多い南方系イザリウオなどがあまり見られていないので、南方系の魚が少ないといった印象が現実以上に強くなっているのだと思います。自分の経験から過去を遡って思い出してみると、一部の目ざとい方々は別として、多くの人たちがクマドリイザリウオやニシキフウライウオといった定番アイドルを目にするのは12月ぐらいからが多かったような気がします。
それに数が多くないというのは、考えようによっては良いことです。例えば、毎年が2002年のような状況であったとすれば、クマドリイザリウオやニシキフウライウオの人気がこれほど高くもならないでしょう。地味なカミソリウオに至っては猫跨ぎ状態になりかねませんしね(笑)。事実、2002年には、ニシキフウライウオでさえ、地味な黒い個体などはチラリと見てもらえるだけでしたから…。
さて、このカミソリウオやニシキフウライウオが何処からやってくるのかはナゾです。いきなり成魚が登場するので、南方種とは考えづらいと思っています。そこで、深場からやってくるのでは…という仮説があるのですが、以前、深場で潜りまくっていたころにも、季節外れに見たという記憶はありません。少なくとも、水深70mあたりまでに居てくれるわけではないので、深場としては水深100mとかもっと深いところとかに居るのかもしれませんね。今の時期に目につきやすいあたりに現れるのは、まず間違いなく繁殖行動のためでしょう。深場の魚が繁殖のために浅場に上がってくるというのは、きわめてスタンダードな行動パターンなので、きっとそうではないのかな…と思うんです。商業ベースに乗せることが出来ないカミソリウオの研究が進むことは望めないのですが、タツノオトシゴなどが漢方薬市場で高値で取引されるために乱獲されてしまっていることを考えると、注目研究されないことは良いことなのかもしれませんね。
カミソリウオ科 / Solenostomidae
カミソリウオ / Solenostomus cyanopterus (Bleeker,1854)
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テナガエビ科 / Palaemonidae
ウミウシカクレエビ / Periclimenes imperator
今日のゲストはウミウシカクレエビを撮るために1週空けただけの連荘で潜りに来たベテランのI氏。ちなみに「撮りましょう!」と誘ったのは自分。つまり絶対にハズせない状況。昨日、居ることの確認はしているのですが、なにしろホストはよく動くニシキウミウシですから移動してしまう可能性大なのでプレッシャーがかかります。普段は、自分が潜る先に他のヒトが居たりすると鬱陶しがって、さっさと行く先を変更してしまうのですが、こうゆう時は誰かが先に居て写真でも撮っていてくれないかなあ…なんて、甘ったれた考えも脳裏を過ぎったりします(笑)。
器材のセッテイングを終え、さあエントリーしようか…と思っていたら、いつもいいネタを見つけて教えてくれる某現地ガイド氏がエキジットしてきたので、訊いてみたら「探したけど居ませんでした」とのこと、軽いジャブを受けたようなショックを受けました…。でも、「居た」と聞いたときよりも、「居なかった」と聞いた時の方が引きが強くなるというのが、これまでの自分の傾向なので、前向きに考えることにしてエントリー。目的地に他のヒトが居ないというのも、本来は好きな状況ですしね。
さて、実は「居なかった」という情報も、その情報元が腕のいいガイドのものであるなら、かえって探す的を絞りやすくなるということもあるんです。例えば、その人が探した場所を探さなくてもイイということが分かるのは大きなメリットです。…で、今回も、その情報からニシキウミウシに的を絞らなかったことが幸いして、このアカオニナマコに居る個体を見つけることができたというわけです。ちなみに、このときは、ニシキウミウシについた個体(下写真)も見つけることが出来たのですが、エビそのものは、アカオニナマコに居た個体の方がサイズが大きくてキレイでした。何よりも新規ネタが見つかるということはハッピーなことです。
とりあえずノルマは果たしました。相変わらずの「強運」と「引きの強さ」だけで、また今日も体面を保つことができたのでした(笑)。メデタシメデタシ。
テナガエビ科 / Palaemonidae
ウミウシカクレエビ / Periclimenes imperator
Copyright Matsukawa Soichi. All rights reserved.
なんだ???…と、一瞬あせったのですが、なんのことはないガラスハゼでした。普通はムチヤギとかムチカラマツについているのに、コイツは海底に落ちている絡まったロープに居たもので…。
ハゼ科 / Gobiidae
ガラスハゼ属の一種-1 / Bryaninops sp.1
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タカベ科 / Labracoglossidae
タカベ / Labracoglossa argentiventris (Peters,1866)
何度もUPしているので見飽きた方も多いと思いますが、湾内のタカベ・トルネードです。やはり、今の大瀬では、これがイチバン面白いでしょう。
見れる場所とパターンはいくつかあるのですが、いちばん美しいのは、やや沖の水深深めの場所の中層~表層で玉状に固まっている時ですね。巨大な群れの塊が、一瞬たりとも同じ形でいる事は無く、絶えず変化する様は圧巻です!
他にも、どこまでも続く河のように流れるタカベ・リバーバージョンや、浅場で見られる密集バージョンがありますので、気が向いたら随時UPしていこうかと思います。いちばんイイのは大瀬に見に来ることですけどね。
タカベ科 / Labracoglossidae
タカベ / Labracoglossa argentiventris (Peters,1866)
タカベ科 / Labracoglossidae
タカベ / Labracoglossa argentiventris (Peters,1866)
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例によって、デジカメでムービーを撮ってみました。またファイルが重いのでダウンロードするのに、混んでいない時間でも3~5分間ぐらいかかると思いますけど、タカベ・トルネードの雰囲気は伝わるかと思います。
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裸鰓目(ドーリス目) / NUDIBRANCHIA
ドーリス亜目 / DORIDINA
フジタウミウシ科 / Polyceridae
ヤグルマウミウシ属の一種? / Crimora sp.
体長8mmぐらい、湾内の水深20m付近、絡まったロープに着いていました。とても可愛らしいウミウシです。一応「ヤグルマウミウシ属の一種?」ということにしておいたのですが定かではありません。
見つけたときはヤグルマウミウシだと思って撮影していたんですが、その後、いろいろ調べてみても、ヤグルマウミウシのたいていの写真は、触角も二次鰓も黄色で、The Sea Slug Forumでは、触角が黒く二次鰓が白い(黄色い?)サンプルと、両方とも白いサンプルが見つかったのですが、この個体のように触角と二次鰓が黒いヤグルマウミウシのサンプル写真は見つけることが出来ませんでしたので、いちおう「?」としておきました。
そろそろ本格的にウミウシを探そうかな…と思い始めたところなのに、いきなりこんなふうで先が思いやられるのでした(笑)。
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Contrust scale (graduated 16steps)
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1024 x 768 True color (32bit)
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"Diver's High Blog"を御覧いただきまして、ありがとうございます。
大瀬崎や井田の海の中は生き物達の楽園。
ここで見られる魚は、600種とも700種ともいわれています。
そんな海での一コマから、海の素晴らしさのほんの一部分でも紹介できたらと思います。
ちなみに、各エントリーのタイトルが掲載画像の生物名になっていますが
書かれている文章は、必ずしもその生物に関することだけではないので悪しからず…
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このブログで御紹介している画像は、基本的にノートリミング画像です。
ただし、[トリミング有り]と書かれている画像は、生物を分かりやすく紹介するために、トリミングをおこなっています。