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イザリウオ科 / Antennariidae
イザリウオ / Antennarius striatus (Shaw et Nodder, 1794)
イザリウオ幼魚の季節ですね。1cm未満の小さな幼魚が見られ始めるのは、例年、だいたい4月中頃からです。卵から孵ったイザリウオの稚魚は、ある程度成長するまで浮遊生活をした後、海底に降りてきて着底生活を始めるのですが、過去に見た最小サイズが、5mmぐらいだということを考えると、3月後半あたりから見つけることは可能ではないかと思います。…とは言うものの、獰猛なハンターであるイザリウオも小さなときは捕食されてしまう率のほうが高いはずであり、海底に海藻の切れ端が落ち葉のように吹き溜まる4月半ば過ぎの方が、身を隠す場所も多いわけで、必然的に生存率も高まり、成長して大きくなることも合わせて、探しやすくなると言えるでしょう。
小さなイザリウオの幼魚を探すのにはコツがあります。特に、探し慣れていないヒトは、ある程度の的を絞った方が良いように思います。ポイントは色と場所です。例えば、黄色い個体を探しているときには、黒い個体は見落としがちになります。そして、すべての色を見落とさないようにすることは、集中力が分散してしまって、かえって難しいと言えるでしょう。そこで、探しやすい体色の個体に的を絞ってしまいます。大瀬の湾内なら黄色系(薄茶色などを含む)を探すのが、個体数から考えても確率が高くなるはずです。場所は、やはり、砂地に点在する海藻の切れ端の吹き溜まりです。黄色っぽい幼魚が好んでひそんでいる場所であるということと、探すエリアを絞り込むことができるので探しやすいというのが、その理由です。また、白っぽい貝殻の破片が多く見られる場所では白い個体、黒っぽい枯葉がたくさん落ちている場所やロープなどの物陰を探すような時は黒い個体を意識するようにします。もちろん、そうすることによって見落とす可能性もあるのですが、試験の「傾向と対策」のようなもので、過去の実績があるデータなので、どこから攻めていいか分からないときなどには役に立つはずです。僕がガイドで潜っている時も、居てくれると予定していたネタの姿が消えてしまっていて困ったときなどは、そんなふうに目星をつけて探してみるということをよくやります。
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ヨウジウオ科 / Syngnathidae
ハナタツ / Hippocampus sindonis Jordan et Snyder, 1901
ペンキを塗ったかのような極彩色のハナタツですが、これは、ストロボやライトなどの人工光を当てて、初めて知ることが出来ること。海の中の自然光状態では、ほんとに目立ちません。見事な擬態という感じです。
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Digital Gallery 111
Osezaki Izu Peninsula
OLYMPUS C740 & PT018 + UN PCU-01
f8 1/250 ISO100
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さっき書いていた記事が、PCかサーバーのエラーで飛んでしまいました。こうゆうのって、かなり萎えますね…。もう一度、同じ作業をしようという気にはなれないものです。書いていて楽しくないですもんね。…かと言って、更新が滞ってしまうのも、見に来てくれた方に悪いなあ…と思い、蔵出しのクマノミの写真をUPします。
撮影は今年の2月12日、大瀬の岬の先端。画質モード=HQ/ホワイトバランス=オート…設定ミスです。海から上がってから気づきました(苦笑)。妙に不自然な色になってしまったので、レタッチで修正してみたのですが、クマノミの色合いを自然な感じにしようとするとイソギンチャクの色が微妙に変。イソギンチャクを自然な色にしようとするとクマノミの色が不自然…。やはりクマノミが主役なので前者をチョイスしました。やはり、TIFFとまではいかないまでも、SHQあたりで撮っておけば、もうちょっとレタッチに耐える素材になっただろうな。でもWBがオートじゃダメか…。自然光カブリを取ってくれるだけでいいのに、オートってヤツは、なぜにあんなに捻った絵を作ってしまうのだろう。でもまあ、こうゆうチープな絵も受けは悪くなかったりするのだよね(笑)。…ちょっと愚痴っぽくなってしまった。
現在、陸に上がった河童状態。大阪/天満橋のビジネスホテル住まいです。海に帰れるのは5月か6月か…交通費を払って4月に足を伸ばすか…。阪神戦をいつでもTVで見れることだけが救いです。今年の阪神は強いから。あと、近所の川沿いの桜が満開で物凄くきれいです。大阪の街も思ったより面白いかな…。美味しい店とか面白い店、知ってるヒトが居たら教えてください。
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Digital Gallery 110
Osezaki Izu Peninsula
OLYMPUS C740 & PT018 + INON UCL-330 M67
f7 1/60 ISO100
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カレイ科 / Pleuronectidae
ナガレメイタガレイ? / Pleuronichthys sp.(yg.)
昨日のアカマツカサ(?)も、よく分からない魚なんですが、このナガレメイタガレイもよく分からない魚です。徳島県立農林水産総合技術支援センター 水産研究所のWEBサイト (http://www.green.pref.tokushima.jp/suisan/index.htm)に、ナガレメイタガレイに関する記載がありました。([トップページ] → [資料集] → [水産試験場100年誌 研究のあゆみ] → [角のあるカレイ、メイタガレイの研究]と辿っていくと見ることが出来ます。)
僕もこの魚を見ると、メイタガレイ Pleuronichthys cornutus (Temminck et Schlegel, 1846)と呼んでしまいますが、大瀬崎でよく見られているのは、ナガレメイタガレイ Pleuronichthys sp.の方のようです。一部の真面目に魚の勉強をしているヒト以外は、メイタガレイと呼んでしまっているはずです。なぜ、そうなるのかと言うと、以前にも書いたことがあると思いますが、多くのヒトが魚を調べるのに使用している図鑑にメイタガレイと記載されているのと、魚を紹介するガイドも、そう紹介してしまっているケースが多いからでしょう。
これを「どうでもいい」と考えるかどうかは、人それぞれの考え方なのかな…と思います。その辺のこだわり具合というのは、ヒトによって、その度合いもいろいろなのでしょう。細かいことを言って面倒臭いという言い方もあるし、適当でいいかげんという言い方もあります(笑)。ただ、メイタガレイとナガレメイタガレイが別種だと分かった事は、研究している人たちの成果でもあるわけで、あんまりいいかげんに扱うのも良くないのだろうな…と、思ったりもするのでした。
図鑑は学術書としてのニュアンスも強いので、新しい情報に合わせて、どんどん改訂していってもらいたいものですし、それが無理だったとしても、何らかのインフォメーションがあると良いですね。今はインターネットもあるわけですから。
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イットウダイ科 / Holocentridae
アカマツカサ? / Myripristis berndti Jordan et Evermann, 1903?
一応アカマツカサを当ててみましたが、自信があるわけではありません。
「この魚は○○です」という結果を導き出す作業を「同定する」というのですが、同定するとは、厳密には、"ここで言うMyripristis berndtiという魚の模式標本があって、その標本と写真の魚が形質的に同じであるということを、鰭の棘や軟条の数を正確に数えたり、骨格形状の比率数値を精査したりして確かめる作業"を言います。このサイトでは他所でも、便宜的に「同定する」という言葉を使っていますが、同定作業とは本来は採集して標本でも作って厳密にチェックするものだと思います。でも、僕らの楽しみは、採集して調べることではなく、海の中でその姿を眺めて、「綺麗だなあ」とか「かわいいなあ」とか「面白いなあ」とか、そんなふうに喜んだり感動したりすることなので、採集するなんてナンセンスだということになります。そこで写真を撮って、ああでもない…こうでもない…と調べるわけです。できるだけ調べやすいように、ドンピシャで真横から鰭全開の瞬間をジャストピントで撮るというのがベストなのですが、まず、なかなかそれが難しい…というケースが多いです。そして、写真が撮れたからといって答えが出るかと言うと、そう簡単にはいかないというのも事実です。一応、ガイドなんて事をしているし、最低限の誠意として、写真と簡単な解説が掲載されているだけの図鑑を見てみるだけではなく、日本産魚類検索 全種の同定 中坊徹次著あたりも調べてみるのですが、これがまた結構手強いというか、「これだ!」という一致を見出すことが出来ず、「う~む…」と唸ってお茶をすすり、宙を眺めて終わり…ということが少なくありません。…というわけで、この写真の魚が「アカマツカサです」と言い切る自信も無いのです。
いや、でも、そうゆうものだと思うのですけどね。思いっきり間違えたままWEBサイトにアップしてしまって、後で恥ずかしい思いをすることも少なくないです。まあ、ここは、海の中で見たものをお見せするというところであって、お勉強するところではないですから…と言い訳しつつ、分からないものは分からないものとして「?」を付けておくのが、適切かなと思ったりもするのでした。
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ウミウサギガイ科 / Ovulidae
トラフケボリダカラガイ / Cuspivolva tigris
開幕戦でタイガースが勝ったらUPしようと思っていたのですが…。まあ第2戦で勝てたので良しとします。
この派手な虎模様の理由は何でしょう?おそらく、食っても不味いぞ!毒があるぞ!…と、捕食者に思わせようという色彩なのではないでしょうか。進化というのは、多くの場合、適応して変化してゆくのではなく、適応できないものが淘汰され適応できたものが残ったという結果なんだと思います。意図的に派手な色になろうとしたのではなく、たまたま派手な色になったヤツが残っていったと…。そのことを思うと、魚の場合の、シマキンチャクフグとノコギリハギののように、本当にそっくりな別種が登場するというケースは不思議なことだなあと感じます。あと、哺乳類の場合に、ライオンにそっくりなシカがいたりしないのは、やはり、知能の高さゆえなのでしょうか…。
さて、トラフケボリダカラガイですが、フトヤギやウミウチワに着いています。比較的、枝の奥まったところに隠れるようにしていることが多いようですね。この写真の2個体もそうなのですが、ストライプのデザインは、個体によってけっこう個性的だったりします。
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Digital Aquarium / Fukukancho
http://www.digi-aqu.tv/
伊豆の魚たちの生態映像のWEBサイトと言えばココでしょう。大瀬で仲良くさせてもらっている副館長さんのDigital Aquariumです。
ここ数年は主に魚たちの繁殖行動をメインに追いかけています。徹底的なリサーチ、そして、推理と検証。生き物たちのことを図鑑で調べたりするのも楽しい作業なのですが、いちばん面白いのは、自分の目で見て、自分で想像したり考えたりしながら観察し、自分で何かを見出すことだと思います。それこそが生態ウォッチングの面白さの王道ではないでしょうか。そんなフィッシュウォッチングの記録が、ここでは公開されています。
魚たちの産卵シーンというのは、神秘的でもあり、感動的でもあります。写真では表現できない動画ならではのムードを味わうことができるでしょう。
そして、動画だけでなく、鋭い観察眼で見つけたネタをとらえたデジタルフォトも必見。
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Digital Gallery 109
Osezaki Izu Peninsula
OLYMPUS C740 & PT018 + INON UCL330
f7 1/125 -0.3 ISO100
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Contrust scale (graduated 16steps)
sRGB - Gamma : Windows (2.2) - White point : 6500°k
1024 x 768 True color (32bit)
font size : medium
"Diver's High Blog"を御覧いただきまして、ありがとうございます。
大瀬崎や井田の海の中は生き物達の楽園。
ここで見られる魚は、600種とも700種ともいわれています。
そんな海での一コマから、海の素晴らしさのほんの一部分でも紹介できたらと思います。
ちなみに、各エントリーのタイトルが掲載画像の生物名になっていますが
書かれている文章は、必ずしもその生物に関することだけではないので悪しからず…
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このブログで御紹介している画像は、基本的にノートリミング画像です。
ただし、[トリミング有り]と書かれている画像は、生物を分かりやすく紹介するために、トリミングをおこなっています。