Springerichthys bapturus (Jordan et Snyder, 1902)
ヒメギンポの雄。いわゆる婚姻色の状態では、顔が真っ黒になる(下写真)。個人的には、通常色と婚姻色の中間ぐらいの状態がいちばんキレイだと思う。
水温の低下とともにヒメギンポは繁殖行動を開始するようなのだが、まさに今は繁殖期の真っ盛りといった感がある。このところグンと水温が下がったので刺激を受けたのではないだろうか。
外海の大きな岩の隙間の天井を探すと見つかることが多い。外海の浅瀬の岩場エリアは、比較的素通りされがちなのだが、安全停止を兼ねて、ゆっくりと生物観察をしながら移動すれば、楽しいし体にいいし、一石二鳥。
普段は写真を撮ろうとすると、すぐに岩陰に隠れてしまうのだけど、他の雄との縄張り争いや、雌に対するアプローチが忙しくなってくると、少々カメラを近づけたぐらいでは動じなくなる。こういう漫画的な優先順位の変化というのも面白いものだと思う。
Copyright Matsukawa Soichi. All rights reserved.
Quadrella boopsis
ベニサンゴガニです。
いわゆる「○○サンゴガニ」という仲間は、南の海の珊瑚礁に行くと、これでもか!…というぐらいにいろんな種類が見られて、これは何だろうと調べるのも面倒になってしまうのですが、大瀬崎だと僕が確認しているのは3~4種類ぐらいです。まあ、西伊豆にはミドリイシの群生もあることだし、きちんと探したら間違いなくもっと居るんでしょうけどね。
一般的に、同じ甲殻類でもカニ類はエビ類に比べると若干注目度が低いような気がします。このベニサンゴガニは、そんなカニ類の中で、かなりスター性を持ったキャラクターなのではないかと思います。人気者になるための要素は、見た目が可愛い・色がキレイ・擬態して隠れる・見られる数があまり多くはない…といったところですから。
写真のベニサンゴガニは卵を持っているのですが、なんとか卵を守っている姿を撮ろうとして手こずりました。ただでさえキサンゴの隙間を逃げ回って撮影しづらいのに、さらに大きな鋏脚でピーカーブースタイルでガードを固めてしまうのです。写真撮るだけだから安心してくれ…(笑)。
Copyright Matsukawa Soichi. All rights reserved.
Digital Gallery 106
Osezaki Izu Peninsula
OLYMPUS C740 & PT018 + INON UCL-165 M67
f8 1/250 ISO100
Copyright Matsukawa Soichi. All rights reserved.
Antennarius pictus (Shaw et Nodder, 1794)
2月というとイチバン寒い季節というイメージが強いようですが、海の中の季節は1~2ヶ月ぐらい遅れてくるという感じがあり、夏や秋に南の海から流れてきた魚たちの姿も数多く見ることが出来ます。3月から4月にかけての頃になると、南方系の魚たちの姿がめっきりと減るということからも、2月はまだ温暖な伊豆の海らしい気配が濃厚に漂っていると言えるでしょう。透視度も抜群にイイことが多いような気がします。
しかし、寒い海の気配というのが歩み寄ってきているのも事実で、それを感じさせるのが海藻の芽吹きです。やはり南の海と言えば珊瑚礁、北の海と言えば海藻でしょう。東伊豆で冬の風物詩になっているダンゴウオやスナビクニン(スナビクニンは大瀬崎でもよく現れる)は海藻のあるところに棲んでいるというイメージが強い典型的な北の魚たちですね。
でも、南方系の魚が海藻の海に居るというミスマッチ感も南北の海流の豊かな恵みを享受する伊豆の海の魅力を象徴する場面のようで、とても好きなシーンです。
この海藻の中に隠れているイロイザリウオなんてのもなかなか魅力的なシチュエーションではないでしょうか。
Copyright Matsukawa Soichi. All rights reserved.
このチョット不思議な形をしたエビはヨコシマエビです。個体数は少なくないと思うのですが、湾内浅場のゴロタ石の隙間という、とても観察しづらいところに居ることが多いので、確実に見れるかというと、わりとムズカシイかもしれません。…とは言っても、出やすいところというのはあるわけで、現地ガイドはそれぞれにポイントを押さえているはずですから、どうしても見たいときは、ガイドしてもらうと確率が上がるでしょう。
でも、見ることが出来ても、じっくり撮影するのは難しい場合が多いです。すぐに石の隙間に逃げ込んじゃいますから。写真の個体はわりとノンビリしていて3カット撮影できましたが、コンパクトデジカメだから撮影できたという感じでした。この写真だと銀塩35mm版でいう等倍相当のクローズアップなのですが、ファインダーを覗きこんでいたら逃げられて見失っておしまいというケースがほとんどです。コンパクトデジカメなら、モニターでAFを確認しつつ現物の動きもチェックできるという強みがあります。
Copyright Matsukawa Soichi. All rights reserved.
Callogobius shunkan (Takagi,1957)
おそらくシュンカンハゼで良いと思うのですが、こんな写真しか撮れなかったので精査することは出来ないですね…。
オキナワハゼ属の仲間ですが、大瀬崎では少なくとも3種類ぐらい確認しています。シュンカンハゼ・オキナワハゼ・タネハゼの3種です。岬の砂地とゴロタの境目の石の下に居て、いちばん多く見られるのはシュンカンハゼだと思います。オキナワハゼらしき個体は2度ほどしか見たことがないのですが、一個体は岬でシュンカンハゼと同じような所、もう一個体は湾内の海底にある大きな板状のものの下に隠れていました。タネハゼは湾内で見ることが多く、こげ茶色になって吹きだまっている枯葉の下によく居ました。オキナワハゼよりは見れる機会が多いようです。
さて、シュンカンハゼを知ったとき不思議に思ったのは、その名前です。シュンカンってなんだろう?…と。
もう10年以上前になるでしょう、図鑑に掲載されている写真がインパクトのあるものだったので、ぜひとも見てみたいと思い探したのですが、居た!と思っても、すぐに石の隙間に逃げ込んでしまい、なかなかまともに観察することが出来ませんでした。一瞬しか見ることが出来ないので「シュンカン=瞬間」だと大真面目に考えたものです(笑)。でも、まともに考えると、和名を付けた学者さんは恐らくホルマリン漬けの標本を見て名付けたはずですし、通称のようなものがあったとしても、それは漁師や釣り師が釣ったり獲ったりしたものを見て名付けたものであったりしたのであろうから、海の中で一瞬しか姿を見ることができない…なんてことから名付けるということは考えづらいです。
「シュンカン=俊寛」と考えるのが妥当なところなのでしょうか。平家転覆を企て平清盛の怒りに触れ、絶海の孤島・鬼界ヶ島へ流罪となった僧都俊寛。翌年、高倉天皇の中宮徳子の安産祈願のために行われた大赦の際、鬼界ヶ島へも赦免の船がやってきますが、一人島に取り残された俊寛は、沖へと去ってゆく赦免船の消えてゆく舟影に追いすがるように海に飛び込む…というストーリーが思い浮かぶのですが、なぜこのハゼを俊寛と?…という気配を感じたりもするのでした。襤褸を纏った俊寛僧都の姿とその容姿をダブらせたのか、はたまた、雲の上から琵琶湖に落ちてゲンゴロウブナになってしまった源五郎の昔話みたいな伝奇でもあるのでしょうか?
*********************************************************************************
2月23日 追記
毎週、富戸で潜られている石田氏からメールをいただき、シュンカンハゼ命名の真実を知ることが出来ました。やはり、俊寛僧都からその名を付けたようです。命名者はシュンカンハゼの顔の皺から俊寛をイメージしたそうです。
石田氏のサイト富戸の波では、この件に関して詳しく、そして、とても面白くまとめられていますので、ぜひともご覧ください。
富戸の波 http://homepage2.nifty.com/ALABAMA/index.htm
シュンカンハゼに関する記事は、「こぼれ話」のコーナー第112回にあります。
Copyright Matsukawa Soichi. All rights reserved.
Petroscirtes breviceps (Valencieenes, 1836)
先月撮った写真です。このところ撮ってないんで、ほったらかしにしていた生データの中から使えそうな写真はないかな?…と探してみました(苦笑)。
僕は写真を撮ってくると、まずサムネイルだけ見て「使えそうな写真」と「使えなそうな写真」に分けてしまうのですが、この写真は、ありがちな写真だな…って感じで後者に分別されてました。でも、こうしてよく見てみると新発見もあったりして「採用」しようということになりました。
何が新発見なのかと言うと、眼の上の皮弁です。こんな睫毛のような皮弁があるとは知りませんでした。けっこう可愛いではありませんか。
ゴミ箱行きにする前に、きちんと写真のチェックをしないとなあ…と再認識しました。
Copyright Matsukawa Soichi. All rights reserved.
何故このところ連荘で大瀬崎の写真じゃないのかと言うと、大瀬崎に行ってないからです。正確には行ってないじゃなくて、行きたくても行けてないのですが…(苦笑)。とりあえず、せっかくここに来てくれたヒトのために更新だけはしとこうかな…と。
CEBUの写真です。いわゆるメラネシアンアンティアスとかレッドチークフェアリーバスレットと呼ばれているヤツですね。キンギョハナダイの熱帯版という感じの魚です。あ…でも、キンギョハナダイは熱帯にも居るから、そう言ってしまうとチョット語弊があるかな。キンギョハナダイと似てるんだけど熱帯でしか見られないヤツ…と言えば良いのかな。いずれにせよ、キンギョハナダイ好きとしては、とても親近感が沸く魚です。何と言うか、観察していると、キンギョハナダイと色は違うのだけど、やってることは同じだなあ…と、そんなことが面白かったりするのでした。
Copyright Matsukawa Soichi. All rights reserved.
爽やかに明るいブルー…ではないところが残念です。これでも今回の日程の中ではイイ方だったのですけどね。細かい浮遊物が多くて白っぽく霞がかかったような感じでした。
でも、潜っていて楽しいのは生き物がいっぱいいる海です。どんなに水がクリアで透視度が良くても、生き物が少なかったり、生物層が単調だったりすると、僕にとってはイマイチなんです。そういう意味で、CEBUの海というのはハズレが無い海ですね。最高にオモシロイです。
Copyright Matsukawa Soichi. All rights reserved.
フロッピーディスクを片付けていたら、前回のよりも、さらに懐かしいファイルが出てきました。
"宗's Page"のトップページです。"宗's Page"は"Diver's High"とネーミングする前の僕のサイトのタイトルで、1999年から2000年の春ぐらいまで使っていました。"宗"というのは、僕の当時のハンドルネームです。そもそも、わけも分からずにPC通信なんてものを始めたもので、ハンドルネームが必要なものだと思っていたんです。…で、安直に宗一から一字取っただけの"宗"というのを使っていました。まあ"宗"だったら呼び名としても呼びやすいし、まったく誰だか分からないってこともないだろうと思ったのですが、ハンドルネームというのが柄じゃないというか…抵抗感があって、間もなく本名をフルネームで名乗るようになりました。そのときにサイトのタイトルを"Diver's High"に変えたというわけです。使っていないハンドルネームがタイトルじゃあ変ですからね。この頃知り合った方のサイトには、まだ"宗's Page"の名前でリンクが張られているようです(笑)。ちなみに"Underwater 大瀬崎"は、このサイトの一コンテンツだったのですがサーバーが別で、Yahoo!に登録されていたせいもあり、直接アクセスが多くなったので独立させたという経緯があります。こちらも最初は"Underwater 大瀬崎"ではなくて"Underwater 大瀬"というタイトルで、"崎"を付けないところに地元のこだわりがあったのですが、検索に引っかかりやすいようにと、一般的に認知されている"大瀬崎"という名称を使うようになったなどということがありました。まあ、別にどうでもよいことなのですけどね。
それにしても、フレームを使ったデザインがあまりにも垢抜けていないし、既成のアイコンボタンを使っているところなんかが素人っぽくて苦笑するしかないです。タイトルのフォントもさり気なさが無くて泣けてくるなあ。最初はこんなもんですよね…(苦笑)。
Copyright Matsukawa Soichi. All rights reserved.
懐かしい人にとっては懐かしい、覚えていない人は全然覚えていないであろう何年か前の"Diver's High"のトップページです。
当時のインターネット環境は64kbpsのISDNが最速で、アナログ回線だと56Kbpsが最速でした。28.8kbpsのアナログモデムなんてのも思いっきり現役でしたので、僕のWEBサイトは「重い」という不満の声が多かったです。写真(JPEG画像)は40KBぐらいまでにとどめるというのが暗黙の了解になっていたようですね。"Diver's High"には50~60KBぐらいの写真が多かったですから。見たくなければ見なければいい…という我侭なスタンスは当時も今も変わりません(笑)。
このころは、スキャナーなどはもちろんのこと、パソコンも貧弱で、画像処理などに手こずった記憶があります。OSはWindows95で、フォトショップ(4.0)を使って同時に2~3枚の写真を処理しようとしただけでフリーズしてしまうという感じです。いつシャットダウンしてしまうか分からないので、ワープロソフトで文章を書いているときも、3分毎に上書き保存しながら作業してました。ちなみにハードディスクは2GB、メモリーは32MBでした。CPUはペンティアムの133MHzだったかな。今使っているPCと比べると隔世の感がありますね。
当時の画像を見てみると、泣けてくるぐらい稚拙なレタッチ処理をしていて恥ずかしくなります(苦笑)。でも、そんなことも良い思い出だと思える今日この頃です。このWEBサイトを通じていろんな人たちと知り合うことができた事がいちばん良かったことかな。
Copyright Matsukawa Soichi. All rights reserved.
Antennarius pictus (Shaw et Nodder, 1794)
イロイザリウオの幼魚。体長は3cmぐらい。11日にUPしたのとは別の個体です。2004~2005の大瀬崎はイロイザリウオが多くて、もはや話題にも上らないような感じですが、イザリウオ好きとしては新規の個体を見ることが出来るとウレシイのでした。
Copyright Matsukawa Soichi. All rights reserved.
ウミシダヤドリエビ。こんなふうにクローズアップで撮ると分かりづらいかもしれませんが、体長1cmに満たない小さなエビです。
このエビはウミシダの中に隠れてます。写真を撮りやすい場所に動いてもらおうとしたら、あっさりとウミシダを放棄して逃げました。ウミシダの中に居た方が安全だと思うのだけど…。
ニシキベラやホンベラが寄ってきたので、素早く撮影してウミシダの中に追い込んでおきました(苦笑)。
Copyright Matsukawa Soichi. All rights reserved.
Antennarius pictus (Shaw et Nodder, 1794)
このコもずいぶん前から居てくれているイロイザリウオです。一見くすんだ色に見えるのですが、ストロボ光を当てるとビックリするぐらい鮮やかな赤い色で、デジカメの設定が変わってしまっているのではないかと確認してしまったほどです。
Antennarius pictus (Shaw et Nodder, 1794)
Copyright Matsukawa Soichi. All rights reserved.
ムチカラマツエビは大瀬崎では通年見られます。とても小さいのですが、ホストのムチカラマツを探せばよいので見つけるのはとても簡単です。たくさんのムチカラマツが群生しているところを探すよりも、湾内などの砂地にある小さな岩などにポツンと1本だけはえているようなムチカラマツを探す方が見つけやすいはずです。
1cm未満の生物を探すのはとても困難だと思われがちなのですが、そんな方の生物探しの練習にムチカラマツエビはもってこいだと思います。小さい生物のムードを知ることができるからです。
ああ…こんな感じで見つかるんだ…ということが分かれば、他の生物を探すのも難しくなくなってくると思いますよ。
Copyright Matsukawa Soichi. All rights reserved.
大瀬崎の甲殻類ガイドネタの定番中の定番といったところでしょうか。ほんとに多いです。しかもラッパウニに寄生しているので見られる水深が浅いというのが良いですね。
ダイビングを始めたばかりの頃、このカニはイイジマフクロウニに居るカニなのだと思い込んでいました。僕が見た雑誌だか図鑑だかに載っていた写真がそうだったのでしょう。…で、実際にイイジマフクロウニに寄生している現物を見て、そうゆうものだというイメージが確立したんだと思います。イイジマフクロウニはチョット深めに居ることが多いウニなので、見つけたら、わりとがんばって撮ったりしていたかもしれません。もう遠い昔のことなので忘れてしまいましたが…(笑)。今や猫またぎ状態のネタになってしまっているのですけどね。個人的には、ビジュアル的に好みのカニで、被写体としても魅力的だと思います。
おそらく、このカニにとっては、ラッパウニとかイイジマフクロウニのような棘の短くて殻が大きいウニの方が住み心地が良いのでしょう。ほとんどの場合、それらの棘を刈り込んで寄生しているのですが、絶対にそうでなければならないというわけではないらしく、アカオニガゼやガンガゼに寄生しているケースも何度か目撃しています。
Copyright Matsukawa Soichi. All rights reserved.
Copyright Matsukawa Soichi. All rights reserved.
Copyright Matsukawa Soichi. All rights reserved.
Copyright Matsukawa Soichi. All rights reserved.
Pleurosicya mossambica Smith, 1959
セボシウミタケハゼでよいと思うのですが…。
ウミショウブハゼ属やガラスハゼ属の仲間というのは、ポピュラーなウォッチング対象魚なのですが、パッと見ただけでは同定が難しくて困らされます。…と言うか、ジックリ見ても難しいですね。周囲の環境によって変化する体色も紛らわしくて、見れば見るほど混乱していくという事はよくある事なのです(笑)。大瀬崎でよく見られるのはセボシウミタケハゼとスケロクウミタケハゼなのですが、決定的な差異を見出せない場合も多々あります。セボシの特徴は第一背鰭の基部に黒色斑があるということなのですが、まったく見えない(見えなくなる)こともあるのでやっかいです。
Copyright Matsukawa Soichi. All rights reserved.
Loligo (Heterololigo) bleekeri Keferstein, 1866
ダイビングで産卵が見られるイカというと、アオリイカがポピュラーですが、他のイカの仲間の産卵も見ることが出来ます。コウイカ・カミナリイカ・ヒメイカ…、そしてこのヤリイカ。僕が過去に見たことがあるイカの産卵のなかで、最も大規模でド迫力の産卵シーンを見せてくれたのはヤリイカです。これまでに見た最も大規模なアオリイカの集団産卵の20倍~30倍…いやもっとかな?とにかく異常とも思える大規模な産卵行動でした。目の前の視界一面すべてがヤリイカの卵で埋め尽くされていましたから…。常日頃から見慣れているアオリイカと違って、その名の通り、槍のように鋭く尖った細長い胴体も印象に残ります。サイズも50cmオーバーと大きく迫力があります。交接の仕方もアオリイカとは異なり、雄雌がシッカリと足を絡めた状態で産卵行動を行います。その様子はアオリイカの産卵を見ているよりもはるかに面白いのですが、残念ながらウチの店では「ヤリイカの産卵を見たい」というリクエストをもらったことはありません(苦笑)。
今年も産卵が本格化してきたようです。昼間でも偵察(?)に来ているヤリイカの姿を見ることが出来ます。
Copyright Matsukawa Soichi. All rights reserved.
ミズウオが打ち上げられてました。普段は深いところに居る魚です。
深いところは真っ暗で視界が効かないそうです。だから、そんな深いところに居る魚は、何か居るととりあえず食ってみるのだヨ…という話を聞いたことがあります。何かが鼻先に触れたらガブッ!何か動くものがあると思ったらガブッ!…とにかくガブッと噛みつくんだと…。弱ったミズウオが波打ち際で息も絶え絶えになっていることがありますが、不用意に口元に手を出したりするのは危険でしょうね。ガブッと噛みつかれるでしょう。口がでかいのは一気に丸呑みにするためだと思います。お腹の中にはたいてい丸呑みにされた魚やイカが入ってますから。…となると、鋭い歯は、切り裂くと言うよりは獲物を逃がさないためという感じなのかな。
このミズウオ、僕が見に行ったときは、すでに解体済みでした。大瀬崎で打ちあがったミズウオは必ずお腹を裂かれてしまう運命にあります(笑)。大瀬崎の人たちの好奇心の対象はお腹の中にある獲物なのです。カガミダイとか普段はお目にかかれないような深いところに居る生物が丸まま入ってますからね。今回の獲物はユウレイイカらしきイカです。これも普段はお目にかかれない深いところに居るイカです。
Chiroteuthis (Chirothauma) imperator Chun, 1913
Copyright Matsukawa Soichi. All rights reserved.
Antennarius commersoni (Latreille,1804)
春の気配が濃厚になってまいりました。岩には短い海藻がびっしりと着いていて、陸の上で言う新芽といった佇まいです。もうしばらくすると、そこにウミウシの仲間やいろんな幼魚を見ることができるようになるでしょう。
ただし、このオオモンイザリウオの幼魚のような、いわゆる定番の個体は、今まで比較的簡単に見つけることが出来ていただけに、探すのが億劫という感じです。この岩のどこかに居る…と分かっていても、海藻の陰に隠れているのを探さねば…と思うと、今日はいいや…と諦めてしまうことが多くなります(苦笑)。新ネタ探しならモチベーションも高まるのですが…。
Copyright Matsukawa Soichi. All rights reserved.
Contrust scale (graduated 16steps)
sRGB - Gamma : Windows (2.2) - White point : 6500°k
1024 x 768 True color (32bit)
font size : medium
"Diver's High Blog"を御覧いただきまして、ありがとうございます。
大瀬崎や井田の海の中は生き物達の楽園。
ここで見られる魚は、600種とも700種ともいわれています。
そんな海での一コマから、海の素晴らしさのほんの一部分でも紹介できたらと思います。
ちなみに、各エントリーのタイトルが掲載画像の生物名になっていますが
書かれている文章は、必ずしもその生物に関することだけではないので悪しからず…
当サイトに掲載されているあらゆる内容の無許可転載・転用を禁止します。
当サイトの内容は、日本の著作権法及び国際条約によって保護を受けています。
Copyright Matsukawa Soichi.
All rights reserved.
Never reproduce or republicate without written permission.
このブログで御紹介している画像は、基本的にノートリミング画像です。
ただし、[トリミング有り]と書かれている画像は、生物を分かりやすく紹介するために、トリミングをおこなっています。